
不動産投資では、物件の良し悪しを数字で判断するために、いくつかの「指標」を使います。表面利回りだけで判断すると、融資の返済や空室、経費の影響を見落としてしまいます。この記事では、不動産投資で必ず押さえたい指標(利回り・キャッシュフロー・DSCR・LTV・損益分岐入居率)と、それぞれの見方を解説します。

不動産投資で見るべき主な指標
| 指標 | 意味 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 表面利回り | 年間家賃収入 ÷ 物件価格 | 物件の収益性を、簡便に比べるための指標 |
| 実質利回り | (年間家賃収入 − 経費) ÷ (物件価格 + 諸費用) | 経費や諸費用を含めた、実際の収益率 |
| キャッシュフロー | 家賃収入 − 経費 − 返済額 | 毎年、手元にいくら残るか |
| DSCR | NOI ÷ 年間元利返済額 | 返済に対する収益の余裕度 |
| LTV | 借入額 ÷ 物件の評価額 | 物件の価値に対する借入の割合 |
| 損益分岐入居率 | (経費 + 返済額) ÷ 満室時の家賃収入 | 何%の入居率で赤字にならないか |
どの指標も、単独では判断できません。複数の指標を組み合わせて、物件と融資条件の組み合わせが適切かを確認します。
利回りの見方
利回りには、表面利回りと実質利回りがあります。表面利回りは広告などで使われる簡便な指標で、経費や空室、諸費用は考慮されていません。そのため、実質利回りで確認することが重要です。詳しくは不動産投資の利回りとは?で解説しています。

キャッシュフローとDSCR
キャッシュフローは、手元に残るお金です。家賃収入から、運営経費(管理費・修繕費・税金・保険など)と返済額を引いて計算します。
DSCR(返済余裕率)は、返済に対する収益の余裕を示す指標で、NOI(営業純収益)を年間の元利返済額で割って求めます。1を下回ると、収益だけでは返済できない状態を意味します。金融機関は、一定以上の余裕を求める傾向があります。詳しくは返済比率とDSCRをご覧ください。
LTVと損益分岐入居率
- LTV:借入額が物件の評価額に対してどのくらいの割合かを示す。高いほど借入の負担が大きく、価格下落時のリスクも高い(融資割合(LTV))
- 損益分岐入居率:低いほど、空室が出ても赤字になりにくい。たとえば、70%の入居率でも収支が合う物件は、安全度が高いといえる
損益分岐入居率は、空室リスクへの耐性を測る指標です。融資を使う場合は、特に確認しておきたい指標です。
指標をチェックする手順
指標に関するよくある質問
Q. 利回りが高い物件ほど良い物件ですか?
A. 利回りが高い物件は、築古・地方・空室リスクが高いなど、別のリスクを抱えていることがあります。利回りだけでなく、キャッシュフロー・DSCR・出口の見通しも含めて判断してください。
Q. 指標の目安は決まっていますか?
A. 一律の基準はなく、金融機関や物件・エリアによって異なります。自分の資金余力と照らして、無理のない水準を決めておきましょう。
まとめ
不動産投資では、表面利回り・実質利回り・キャッシュフロー・DSCR・LTV・損益分岐入居率といった指標を組み合わせて、物件と融資条件を判断します。利回りだけで判断せず、空室や金利上昇に耐えられるかも、数字で確認しましょう。
※本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、特定の投資・融資・税務上の判断を勧めるものではありません。制度や数値は記事作成時点の一般的な内容です。個別の判断は、金融機関・税理士などの専門家にご確認ください。
最終更新:2026年10月
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