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不動産投資におけるリスクとその洗い出し方

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不動産投資におけるリスクには、空室リスク、家賃滞納リスク、災害リスクなど様々あります。

今回は、不動産投資におけるリスクについてお伝えします。

物件購入前にリスクを洗い出す

現所有者へのヒアリングは重要

不動産投資における物件選定は、立地や建物の状態、周辺環境、融資の受けやすさなど、いくつかのチェックポイントがあります。

なかでも中古物件を購入する、いわゆるオーナーチェンジの場合、やはり売主たる現所有者に、疑問をヒアリングすることがリスクを避ける為にも非常に重要です。

もちろん売主と対面するのは、契約の時とか決済の時しかないので、普通は仲介会社を通してのやり取りということになります。

では、現所有者に対して、どのような点を確認すべきでしょうか。

どんな人間が住んでいるのか?

所有者に話を聞けば、現在どのような人間が住んでいるのか、その人となりまで確認できます。

もちろん不動産会社経由でも現在の入居者の年齢や居住年数などの附帯情報は確認できますが、入居者自体の経歴や住み方、人間性といった点はやはりオーナーが最も知っているものです。

管理を全部管理会社に任せている場合はそれらを聞けないこともありますが、自ら管理している大家さんであれば、入居者と接点を持っていることも多いです。

 

・滞納や共用部などに問題がないか?
・また今後どのくらい住んでくれそうか?

などといった点も実際のオーナーに話を聞けば推し量ることができます。

客付けや管理の方法を確認する

また中古物件の場合は特に、現在の建物の状況だけではなく、瑕疵についても知っておくべきです。

瑕疵の有無については入居者がいる場合、部屋の中を確認できません。従って報告書類やオーナーへの聴取しか判断材料がないのです。

これまでどのように管理してきたのか、物件にどれくらいの修繕履歴があるのか、また問題が起きたことがあるのか、について聞けますし、

そのエリアでの災害の多さや周辺で起きた災害の被害事例についても、そのエリアに詳しいオーナーであれば聞ける情報はたくさんあるはずです。

購入後のリスク

入居者の傾向がどう変化しているか

また不動産物件を購入する場合、最も対策を考えるべきリスクは空室率をいかに抑えるか? つまり入居者をどのように集めていくかという点です。

どのような物件であっても新築時の方が入居者は入りやすいし、経年によって建物が老朽化し、デザインも古くなれば客付けは難しくなりやすいものです。

築15年、20年とやや時間が経った物件を購入する場合は、経年によって入居者を集めるための戦略をどのように変化させていったか? という点も聞いておきましょう。

過去の入居者の履歴もヒアリング

同時に過去の入居者の履歴についてもできればヒアリングします。

そうすれば学生をターゲットにするのか、社会人をターゲットにするのか、男性向けにするのがいいのか、それとも安全性を重視して多少家賃を高めにしてでも女性を取り込むのがいいのかなど、今後の方針を定めていくための情報が入手できます。

特に土地勘のないエリアで物件を購入する場合は、オーナーや不動産会社から得られる情報は大変貴重な判断材料になります。

その土地ならではの特徴などもあるので、必ずこれまでの入居者について情報を収集し管理会社に物件の状態などを詳しく聞いておくようにしましょう。

動物による被害リスク

不動産投資で意外とバカにできない被害をこうむるのが動物による獣害です。

獣害は自分が育った地域によっては全く知らなかったという人もいるでしょうし、自然が多い地域で育った人にとっては身近なものかもしれません。

変わりどころでは、イノシシやハクビシンなどの被害もあったりします。地域により発生しやすい場所と発生しにくい場所がありますが、比較的どこでも発生しやすい獣害とその対策を紹介していきます。

鳩による糞尿の被害


鳩というと平和の象徴として、日本人に親しまれている鳥で、鳩を見て嫌悪感を抱く人はそうはいないでしょう。

しかし実際には、不動産運営をしていると、ハトの侵入や糞尿は馬鹿にはならない被害を引き起こすのです。

ベランダが鳩の休み場になってしまうと、糞尿が溜まっていくことになり、衛生上の問題や粉塵による健康被害が起きることもあります。

さらに尿は金属を錆びつかせるため、ベランダの鉄部も錆びさせてしまい、そうなると建物の美観が損なわれるし、腐食によって建物が壊れやすくもなります。

他にも鳩が住み着いてしまう巣を作り、鳩の鳴き声に悩まされることもあります。鳩による被害を防ぐためには、鳩の忌避剤を撒いたり、侵入を防ぐようなネットをベランダや軒下などに設置したりするのが効果的です。

コウモリが侵入する影響

地域差は大きいですが、西日本などの暖かい地域を中心にコウモリが住宅内に侵入してくることもしばしばあります。

コウモリも鳩と同じように、糞尿による衛生面での問題が起きやすく、特に幼児などがいる家庭にとっては脅威になる可能性もあります。

また鳩に比べて嫌悪感を抱く人も多く、コウモリの死骸などが転がっているだけで退去を決めてしまった人もいるほどです。

コウモリの侵入を防ぐには、コウモリの侵入経路を塞ぐのがもっとも効果的です。コウモリを追い出した後に忌避剤を撒き、そして侵入経路を塞いでしまえば、コウモリによる住宅内への再侵入を防ぐことができます。

ただしコウモリも鳩も鳥獣保護法の対象であるため、勝手に駆除はできません。本格的に対策したいのであれば、専門的な駆除業者に依頼しましょう。

ネズミの被害も馬鹿にはならない


そして住宅に住み着く動物といえばやはりネズミです。屋根裏に住み着いて、「ととととととと」いう足音を下の階に響かせることも多いです。

ネズミも嫌悪感を持つ人が多い動物で、また木材などにかじりついて建物に深刻な被害をもたらすこともあります。できるだけ速やかにネズミは駆除しなければいけません。

なおネズミに関しては鳥獣保護法の対象ではないため、個人でも駆除ができます。ネズミを駆除する場合は毒エサを撒いたり捕獲用の罠として粘着シートなどを仕掛けたりすることが効果的です。

ただしこういった場合は、死骸を自分で処分しなければいけませんし、罠を設置してから死骸を放置しておけば、そこからまた衛生面での問題が発生します。

すぐにネズミを家の中から駆除したいのであれば、やはり業者に依頼をするのがもっとも確実でしょう。

動物を駆除する場合は、その動物の生態も知って、駆除に最適なシーズンを選んで対策しましょう。

投資家本人が失踪した場合のリスク


変わりどころで言うと、投資家本人の失踪という意外なリスクもあります。

読んでいる方の中には、自分は家族をおいて失踪などするわけがない・・・と思う人も多いでしょう。

しかし、失踪するつもりがなくても、意図しない形で失踪扱いになってしまうことがあるそうです。

その代表的な例が、登山時の遭難による行方不明です。そのため登山をする人は、事前に登山届を出すようにしましょう。逆に言うと、登山届を出さないと、具体的にどのようなリスクに繋がるのか、について書いてみます。

登山届を出さない遭難は失踪扱いになる

山に登る時には、管轄の警察署に「登山計画書」いわゆる登山届を出すことが推奨されています。

登山届を提出していれば、誰がいつどの山に登山したか把握され、行方不明時の捜索にも役立ち、また目撃情報なども集めやすくなります。

さらに登山条例を制定した地方自治体によっては、登山計画書を提出していない場合は、登山の許可が下りないこともあります。

ただし、それでも登山届を出さずに登山する人間は多く、仮に遭難した時には大事になります。

例えば、行方不明者がいつ、どのルートで山に登ったのか、またどこで消息をたったのかなど、消息の把握がしづらくなり、発見される可能性が低くなってしまいます。

そして、最も問題なのは、登山届を出さずに行方不明になると、自分から行方をくらました、つまり失踪と同じ扱いになってしまうということなのです。

仮に山で遭難や滑落して死亡した場合、速やかに本人の死亡が確認されれば、生命保険や団信などの保険がおります。

しかし「失踪」ということになると、まだ死亡扱いにはならないため、保険がおりなくなってしまうのです。

失踪扱いは死亡認定されない

さて失踪扱いになると、生命保険がおりないため、遺族はローンが免除されず、代わって返済義務を負うことになります。

家族ぐるみで不動産投資をやっていればそれでもまだ良いのですが、夫もしくは妻が単独でやっていた場合、遺族は慣れない不動産賃貸業に右往左往しながら借金だけが残る事態に陥る可能性があります。

また家族に隠してやっている場合は、遺族は返済義務があることも全く知らず、ある日突然、莫大な金額の返済を迫られることもあるのです。物件を売却しても返済できない場合は、最悪、自己破産もあり得ます。

その他にも、通常の死亡であれば、会社から退職金などが支給されますが、失踪扱いになると退職ではなく解雇になり、退職金が出ないこともあります。

特に、無断欠勤による解雇は、懲罰的な意味合いを持たせることもあり、こちらも最悪の場合は、損害賠償を求められることもあります。

このように、登山届を出していない状態での遭難は、家族に対して非常に大きな迷惑をかけてしまう可能性があるのです。

不動産投資をしている人は、遭難のリスクがある登山などのレジャーを楽しむ場合は必ず、登山計画書などの届け出を警察署に出すようにしましょう。

自分は健康だから、山に慣れているから、などと油断するのではなく、家族がいる人は最低限のエチケットとして、登山届と保険付保だけはしておきましょう。

失踪から7年で死亡認定される

ところで、失踪してから7年が経過し、遺族から家庭裁判所に申請すれば、失踪宣告が取り消されて、死亡扱いになります。

そうして死亡が確認されれば、生命保険や団体信用生命保険から、保険金の受け取りが可能になります。

ただし、7年間は非常に長く、その間に遺族が数々の不都合に遭遇する可能性は高いです。

投資で家族を守っていきたいのであれば、不動産投資家の義務として、必ず登山届を出すようにしましょう。

まとめ

不動産投資は、大きなメリットもある一方で、大小様々なリスクも存在することは間違いありません。すべてのリスクを排除することはもちろん不可能ですが、ある程度、どういうときにどんなリスクがあるのか? を知ったうえで、リスクテイクする、またはリスクリターンのバランスを計算する、ということが重要になります。

特に、一般的な不動産投資は、レバレッジという名の下に、多額の負債を背負って不動産を取得し、賃貸運営していくわけですから、自身はもちろんのこと、家族にもそのリスクを説明して、納得したうえで始める必要があると考えます。

不動産投資の始め方については、私が書き下ろした『不動産投資かんたんスタートアップガイド』を期間限定で公開していますので、ご興味ある方はダウンロードされてみてください。

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