「斬新なアイデアを出したい」
「人が驚くような企画を生み出したい」
成熟社会でヒット商品を生み出すのは困難な時代です。
商品企画、開発などクリエイティブな仕事をしている人であれば、「アイデアの出し方」は悩みの種です。
いくら考え込んでも出てくるものではありません。
しかし実は、アイデアは自らアプローチすることで「出やすく」なります。この記事では、
・アイデアを生み出すための思考法
・ビジネスモデルのアイデア発想術
を紹介します。ビジネスモデルを新しく一から考えることは並大抵のことではありません。
しかし、発想術を知ることで、あなたにも新しいアイデアが浮かんでくるかもしれません。
アイデアを生み出すための思考法
要らないものを考える
アイデアを生み出す時、「あれもしたい」「これもつけてみよう」と付加することばかり考えてしまいます。
もし、付加することに行き詰まりを感じたら、「要らないものを考える」ことをおすすめします。
要らないものを考えるとは、“なくしてもいいものはないか”を考えることです。
みなさんご存知の「ダイソン」。
ダイソンから販売されている「エアマルチプライアー」。羽根のない扇風機で話題になりました。「扇風機は羽根があるもの」という固定概念を見事崩し、ヒット商品になりました。
私たちはどうしても、「これはなければならない」と思いがちです。
しかし「なくしたらどうなるか?」と、逆転の発想で考えることでアイデアを生み出すことができるのです。
自然界に目を向ける
何か生み出すことを考える時、最先端技術や科学を頼ろうとします。
しかし、私たちの行動すべては、所詮「自然界の模倣」に過ぎません。行き詰ったら「自然界に目を向ける」ことです。
自然界から生まれた技術のことを「バイオミメティクス」といいます。
痛くない注射針
これは、蚊の針から模倣したものです。蚊の針は刺されても痛くありません。それを注射針に応用できないかと考えたのです。
競泳水着
サメの肌を模倣したもので、流体の摩擦抵抗を減らし、高速水着とも呼ばれました。
ハニカム構造
ハチの巣を模倣したもので、飛行機の翼や羽に使われている構造です。音や衝撃を吸収し、頑丈な構造となっています。
このように私たちの生活の中には、すでに自然界から模倣された技術が活かされていました。アイデアを生み出す時、自然に目を向けることをおすすめします。
対極にあるものと合わせる
アイデアを生み出す時に、障壁となるものがあります。それが「固定概念」です。
特に「相反するもの」はタブーなので避けて通ります。
しかし、あえてこのタブーを犯すことでイノベーションが生まれます。その1つが「対極と組み合わせる」という方法です。
具体例として、ファッションブランドの「H&M」です。
シャネルのデザイナーカール・ラガー・フェルドが立ち上げたもので、「シャネル」という高級ブランドと「チェーン店」という対極との組み合わせがヒットを生み出しました。
人はギャップの効果に弱い心理がありますが「対極との組み合わせ」が好例と言えるでしょう。
時間に目を向ける
アイデアは「時間」という概念からでも発想できます。時間のアイデアとは「時間帯を変える」ことです。
例えば、習い事などです。近年注目されている「早朝ビジネス」があります。
「朝勉強カフェ」「朝ヨガ教室」「朝フィットネスジム」など、「早朝」に目を向けたビジネスです。
今まで習い事は「夜」が常識とされていました。
しかし、今のトレンドは朝です。出社前に習い事をするビジネスマンが増えているのです。
夜やっていることを朝にできないか、朝やっていることを夜できないかと、常識の裏をつくことで新しいアイデアがひらめくのです。
無料化
どんなビジネスでも、「人を集める」ことが第一条件です。
しかし、人を集めるためには、「広告費」や「宣伝費」が必要です。広告費も宣伝費もかけずに人を集められる方法があります。それが「無料化」です。
商品やサービスを無料化することで人が勝手に集まり、集まった人が口コミで宣伝してくれるのです。
SNSの時代なので効率よく情報が伝わります。
もちろん無料化する以上赤字ではありますが、宣伝費として考えれば安いものです。何より、認知されることが大きな収穫です。
対極を入れ替える
私たちはどうしても対極にあるものは「考えない」という固定概念があります。
対極概念として、「男」と「女」や、「子供」と「大人」などがあります。
男の興味のあるものは、女には興味がない。その逆も然り。子供の興味のあるものは、大人には興味がない。その逆も然り。
つまり、思考からその概念をシャットアウトするのです。固定概念を崩すことでイノベーションが生まれるのです。
例えば、コンビニスイーツの「俺のシリーズ」です。
「俺のゼリー」「俺のプリン」など、男性向けのスイーツです。スイーツと言えば「女性」ですが、対極を入れ替えることで新たな市場が生まれたのです。
ビジネスモデルのアイデア発想術
非常識から考える
まずやるべきなのが「業界の常識を疑うこと」です。
社会状況が一変しているにも関わらず、古い常識が未だに残っている業界があります。
手始めに自分が所属している業界の常識から疑ってみることです。当たり前されている慣習やルールを次の3つの視点で疑ってみます。
否定してみる
既存のルールや概念そのものを否定したり、無くしたりすることです。
逆転発想でみる
今までのやり方や考え方を、正反対にすることです。
拡大、縮小してみる
今やっていることの枠を拡げてみたり、もしくは縮めてみたりすることです。この3つの視点から常識を疑うことで、新たなビジネスモデルのヒントを獲得することができます。
“デジタル”を付加する
IT技術が日々進化しています。今の時代において「デジタル技術」を抜きにビジネスモデルは考えられません。
そこで考えられるのが「デジタルを付加する」という発想法です。参考となるデジタル技術が次の3つです。
モバイルデバイス
日本人の約8割が常備携帯しているといわれているスマートフォンやタブレットなどの端末のことをいいます。
新規顧客を獲得し、既存顧客を維持するための大きな武器となります。
また、消費者行動の指針となるので、モバイルデバイス抜きには考えられないでしょう。
SNS
facebook、ツイッターなどのソーシャルネットワークサービスのことをいいます。
Web上で構築された特定のサークルは「価値を受け入れてくれる顧客」です。
さらに価値の生成にも大きく携わってくれるので、重要な顧客といえます。
IoT
モノとインターネットを繋ぐ技術のことです。
人間の経験や勘などのアナログ的なものをデジタル化することができるツールです。
現実世界からデータを収集し、集まったデータを解析します。
解析したデータを活用し、新規市場へ展開します。
このように、デジタル技術を駆使することで既存にないビジネスモデルを構築することができるのです。
成長のコツ
いくら斬新なビジネスモデルが構築できても成長しないビジネスでは意味がありません。ビジネスモデルを成長させるためのキーワードが「高い参入障壁」「口コミ」です。
高い参入障壁
他社の新規参入を妨げる「障壁」のことです。
ブランド力、技術力、コストの高さなどが企業の優位性となります。 この高い参入障壁があると他社の進出に歯止めが効くので、自社の成長が見込めます。
口コミ
宣伝コストをかけることなく消費者同士で有機的に結びつくものです。
いい口コミであれば、有効なマーケティングチャネルとなります。
この2点を意識しながらビジネスを展開することで、勝手に成長していく仕組みになるのです。
新しいアイデアを生み出すための発想術のまとめ
人は何かアイデアを生み出す時、斬新なもの、既存に無いものを考えようとします。
しかし、ゼロから生み出すには大変な労力と時間を必要とします。アイデアを生み出すには発想の転換が必要です。
発想の転換には、固定概念を壊す必要があります。しかし、この固定概念がなかなか壊せないのです。
固定概念とは、無意識のうちに判断しているのでそれが「固定概念」とは気づきません。
この固定概念を気づくために「発想法」があります。「逆にする」「入れ替える」「なくす」ことで、固定概念に気づくことができるのです。
新しいことではなく、「既存をズラす」「ひっくり返す」だけでイノベーションが生まれるのです。
たったそれだけのことですが、できない、やらないのが人間です。先に行動した者が成功できるのです。