株式の話題では、投資とは別に投機という言葉が出てくることがあり、違いが分からず混同される方は多く見られます。
それぞれ本質的に違うので、未来に向けた資産運用を始める前に正しい意味や特徴を知ることが大切です。
今回は、勘違いしやすい投資と投機の違いや、資産運用を始める上で知っておきたい長期投資についてご紹介しましょう。
投資と投機、それぞれの特徴
投資とは?
投資は資産運用を目的に資産を投入することです。
株式投資であれば、上場企業が発行する株式を購入することを「投資」と言い、企業の業績に応じて配当金や株式の売却でキャピタルゲインを得られます。
株式を保有していれば配当金だけではなく、企業の商品やギフト券などが届く株式優待を得られるところも投資の特徴です。
企業の成長や業績上昇を見込んで資産を投入するため、将来性や景気の動きを分析し、数多くの銘柄から採択する能力が求められます。
投機とは?
投機は「機会」に資金を投入するという意味があり、価格変動を予想して売却を繰り返して利益を出す方法です。
日中に行われるデイトレードや数日または数週間の間で取引を済ませるスイングトレードが投機に該当します。
短期での運用となるため企業の将来性や業績を長期的な観点で見る必要がなく、その場の状況で判断するギャンブルのような一面を持つところが特徴的です。
投資=投機は間違い!
投資・投機を一緒と認識している人は多い
投資と投機の特徴を見ると同じ資産運用でも本質に違いが見えてきますが、初心者や投資経験のない人は投資=投機と勘違いしている人は多いです。
投資も投機も株式や為替などに資産を投下して利益を得ることには変わりはありませんが、大きな違いは運用期間や利益の出方にあります。
投資は配当金の増額や株価上昇に期待して、有望だと思う企業に資産を預ける方法なので長期運用が基本です。
配当金や株主優待が魅力ですが、株価が下落した時の損失がデメリットと言えるでしょう。
一方、投機は株価の動向に合わせて安い時に買い、一定のところまで上昇したら売るという行為を繰り返す短期的な運用となります。
常時株価の動きを注目する必要がありますが、利益を得るためには数を積まなければなりません。
ただ、値幅が少ない分、動向を読み間違えても損失が大きくなく、企業の業績や成長性に左右されずに運用できることが投資との違いです。
投資をしていない人が抱きがちな勘違い
投資をしていない人の多くは投資に対してギャンブルのイメージが強く、運が良ければ稼げる手段と見ています。
宝くじや麻雀といったギャンブルは勝つことで得られる報酬を奪い合うゲームであり、稼げているようで実際の収支合計はゼロという特徴を持ちます。
短期運用となる投機も限定されたパイを奪い合う方法なのでギャンブル性が高く、誰かが得をすれば誰かが損をする世界です。
しかし、投資は経済の成長に合わせて利益が乗せられていくものなので、投機のようなギャンブル性は低く、株を保有するほぼ全員が得する仕組みとなっています。
有望な企業の見極めが求められますが、長期的な視点で見れば安全に資産を形成できる手段であり、ギャンブルのような危険性はないと言えます。
投資は高額な資金が必要というイメージがありますが、少額投資も可能なので参入へのハードルが下がり身近な資産運用法になりました。
長期的な投資なら低リスクで始められる!
投機のリスクと長期投資のリスクを比較
なぜ長期投資は低リスクなのか、まずはリスクを比較してみましょう。
投機は短期間の取引となるので、常に株価の動きを気にして運用しなければなりません。
株価は昼夜問わず変動しているので、日中仕事をしている人には難しい運用方法といえるでしょう。
また、1回の売却の値幅が低くなるので、何度も取引をして数を稼がないと利益も稼げません。
特に難しく分析しなくてもいいので簡単そうに見えますが、実際に勝ち続けることはプロでも困難と言われ、小さな損失でも積み重ねれば大きな損失になってしまいます。
のめり込んでしまうと仕事や家庭を犠牲にしてしまう恐れもあるでしょう。
一方、長期投資のリスクは保有期間が長い分、想定していないリスクを背負うがあることです。
投資先を見誤ると業績がなかなか伸びず利益が少なくなり、業績が下がる一方だと倒産の危機も懸念されます。
安定している企業でも何かのマイナス要因で株式市場が大きく下落する可能性も否定できません。
長期投資ではリスクを減らすことが重要で、投資を一点に集中するのではなく分散させてリスクを軽減させることが成功の鍵です。
同時に変化する企業の財務状況や業界の環境などを分析するファンダメンタル分析も重要であり、状況に応じて株式の買い増しや売却などその場に合わせた対応が求められます。
長期投資はどれくらいの費用で始められる?
資産運用を始める時は生活費や貯金から出すのではなく必ず余剰資金を確保して、その中で運用することもリスク軽減のコツです。
では、具体的にどのくらいの費用を確保すればいいのか悩む方は多いでしょう。
余剰資金はあればあるほど良いのですが、どんな運用スタンスで取り組むかによって必要となる初期費用は変わってきます。
目安としては日本国内の上場銘柄の約半数は10万円前後で売られているので、余剰資金は最低でも10万円が無難です。
複数の銘柄を購入して分散投資をするのであれば、より多くの余剰資金を確保する必要があります。
実際の投資額は余剰資金の3割がちょうど良いと言われていますが、厳しいと感じる時は2割や1割でも良いので、無理のない範囲で投資してください。
少額から始めたいなら投資信託がおすすめ
自己運用は購入する銘柄やあらゆるリスクに備えて、ある程度まとまった資金が必要となり、ハードルが高いと感じる初心者は少なくないでしょう。
投資信託なら少額でスタートできるので、大金を確保できない人も長期運用を始めることができます。
そもそも投資信託とは複数の投資家から資金を集め、その資金でプロが運用を行い投資家に利益が分配される金融商品です。
他の投資家からも資金が投入されるので1人あたりの負担が少なく、最低1万円からスタートできるケースがほとんどです。
商品によっては1000円や5000円から始められる投資信託もあります。
投資信託でも損失がないわけではないので、どこに投資する見極める必要がありますが、難しい専門知識があまりなくても始められるので、初心者も安心できる運用方法と言えます。
投資する商品の幅が広いので、少額で分散投資が簡単に行えるところも投資信託の利点です。
まとめ
初心者が混同しやすい投資と投機の違いをご紹介しましたが、簡単に説明すると投資は長期運用、投機は短期運用というスタンスにあります。
それぞれメリットとデメリットがあるので、一概にどちらが良くて悪いとは判断できませんが、投機はギャンブル性が強いことを覚えておきましょう。
そしてしっかりと投資の種類を把握し、投資詐欺などに合わなに為にも投資の勉強は必要です。
初心者は運用やリスク管理に慣れるまで時間がかかるので、投機よりも長期的な投資の方が低リスクで始められるためおすすめです。
自分で運用することに不安であれば、投資信託の選択肢もあります。
少額から投資でき、投資先の情報収集や分析など運用までも担ってくれるので、初心者にも安心の運用方法なので検討してみてはいかがでしょうか?