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不動産

不動産投資におけるリスクとその洗い出し方

不動産投資におけるリスクには、空室リスク、家賃滞納リスク、災害リスクなど様々あります。

今回は、不動産投資におけるリスクについてお伝えします。

物件購入前にリスクを洗い出す

現所有者へのヒアリングは重要

不動産投資における物件選定は、立地や建物の状態、周辺環境、融資の受けやすさなど、いくつかのチェックポイントがあります。

なかでも中古物件を購入する、いわゆるオーナーチェンジの場合、やはり売主たる現所有者に、疑問をヒアリングすることがリスクを避ける為にも非常に重要です。

もちろん売主と対面するのは、契約の時とか決済の時しかないので、普通は仲介会社を通してのやり取りということになります。

では、現所有者に対して、どのような点を確認すべきでしょうか。

どんな人間が住んでいるのか?

所有者に話を聞けば、現在どのような人間が住んでいるのか、その人となりまで確認できます。

もちろん不動産会社経由でも現在の入居者の年齢や居住年数などの附帯情報は確認できますが、入居者自体の経歴や住み方、人間性といった点はやはりオーナーが最も知っているものです。

管理を全部管理会社に任せている場合はそれらを聞けないこともありますが、自ら管理している大家さんであれば、入居者と接点を持っていることも多いです。

 

・滞納や共用部などに問題がないか?
・また今後どのくらい住んでくれそうか?

などといった点も実際のオーナーに話を聞けば推し量ることができます。

客付けや管理の方法を確認する

また中古物件の場合は特に、現在の建物の状況だけではなく、瑕疵についても知っておくべきです。

瑕疵の有無については入居者がいる場合、部屋の中を確認できません。従って報告書類やオーナーへの聴取しか判断材料がないのです。

これまでどのように管理してきたのか、物件にどれくらいの修繕履歴があるのか、また問題が起きたことがあるのか、について聞けますし、

そのエリアでの災害の多さや周辺で起きた災害の被害事例についても、そのエリアに詳しいオーナーであれば聞ける情報はたくさんあるはずです。

購入後のリスク

入居者の傾向がどう変化しているか

また不動産物件を購入する場合、最も対策を考えるべきリスクは空室率をいかに抑えるか? つまり入居者をどのように集めていくかという点です。

どのような物件であっても新築時の方が入居者は入りやすいし、経年によって建物が老朽化し、デザインも古くなれば客付けは難しくなりやすいものです。

築15年、20年とやや時間が経った物件を購入する場合は、経年によって入居者を集めるための戦略をどのように変化させていったか? という点も聞いておきましょう。

過去の入居者の履歴もヒアリング

同時に過去の入居者の履歴についてもできればヒアリングします。

そうすれば学生をターゲットにするのか、社会人をターゲットにするのか、男性向けにするのがいいのか、それとも安全性を重視して多少家賃を高めにしてでも女性を取り込むのがいいのかなど、今後の方針を定めていくための情報が入手できます。

特に土地勘のないエリアで物件を購入する場合は、オーナーや不動産会社から得られる情報は大変貴重な判断材料になります。

その土地ならではの特徴などもあるので、必ずこれまでの入居者について情報を収集し管理会社に物件の状態などを詳しく聞いておくようにしましょう。

動物による被害リスク

不動産投資で意外とバカにできない被害をこうむるのが動物による獣害です。

獣害は自分が育った地域によっては全く知らなかったという人もいるでしょうし、自然が多い地域で育った人にとっては身近なものかもしれません。

変わりどころでは、イノシシやハクビシンなどの被害もあったりします。地域により発生しやすい場所と発生しにくい場所がありますが、比較的どこでも発生しやすい獣害とその対策を紹介していきます。

鳩による糞尿の被害


鳩というと平和の象徴として、日本人に親しまれている鳥で、鳩を見て嫌悪感を抱く人はそうはいないでしょう。

しかし実際には、不動産運営をしていると、ハトの侵入や糞尿は馬鹿にはならない被害を引き起こすのです。

ベランダが鳩の休み場になってしまうと、糞尿が溜まっていくことになり、衛生上の問題や粉塵による健康被害が起きることもあります。

さらに尿は金属を錆びつかせるため、ベランダの鉄部も錆びさせてしまい、そうなると建物の美観が損なわれるし、腐食によって建物が壊れやすくもなります。

他にも鳩が住み着いてしまう巣を作り、鳩の鳴き声に悩まされることもあります。鳩による被害を防ぐためには、鳩の忌避剤を撒いたり、侵入を防ぐようなネットをベランダや軒下などに設置したりするのが効果的です。

コウモリが侵入する影響

地域差は大きいですが、西日本などの暖かい地域を中心にコウモリが住宅内に侵入してくることもしばしばあります。

コウモリも鳩と同じように、糞尿による衛生面での問題が起きやすく、特に幼児などがいる家庭にとっては脅威になる可能性もあります。

また鳩に比べて嫌悪感を抱く人も多く、コウモリの死骸などが転がっているだけで退去を決めてしまった人もいるほどです。

コウモリの侵入を防ぐには、コウモリの侵入経路を塞ぐのがもっとも効果的です。コウモリを追い出した後に忌避剤を撒き、そして侵入経路を塞いでしまえば、コウモリによる住宅内への再侵入を防ぐことができます。

ただしコウモリも鳩も鳥獣保護法の対象であるため、勝手に駆除はできません。本格的に対策したいのであれば、専門的な駆除業者に依頼しましょう。

ネズミの被害も馬鹿にはならない


そして住宅に住み着く動物といえばやはりネズミです。屋根裏に住み着いて、「ととととととと」いう足音を下の階に響かせることも多いです。

ネズミも嫌悪感を持つ人が多い動物で、また木材などにかじりついて建物に深刻な被害をもたらすこともあります。できるだけ速やかにネズミは駆除しなければいけません。

なおネズミに関しては鳥獣保護法の対象ではないため、個人でも駆除ができます。ネズミを駆除する場合は毒エサを撒いたり捕獲用の罠として粘着シートなどを仕掛けたりすることが効果的です。

ただしこういった場合は、死骸を自分で処分しなければいけませんし、罠を設置してから死骸を放置しておけば、そこからまた衛生面での問題が発生します。

すぐにネズミを家の中から駆除したいのであれば、やはり業者に依頼をするのがもっとも確実でしょう。

動物を駆除する場合は、その動物の生態も知って、駆除に最適なシーズンを選んで対策しましょう。

投資家本人が失踪した場合のリスク


変わりどころで言うと、投資家本人の失踪という意外なリスクもあります。

読んでいる方の中には、自分は家族をおいて失踪などするわけがない・・・と思う人も多いでしょう。

しかし、失踪するつもりがなくても、意図しない形で失踪扱いになってしまうことがあるそうです。

その代表的な例が、登山時の遭難による行方不明です。そのため登山をする人は、事前に登山届を出すようにしましょう。逆に言うと、登山届を出さないと、具体的にどのようなリスクに繋がるのか、について書いてみます。

登山届を出さない遭難は失踪扱いになる

山に登る時には、管轄の警察署に「登山計画書」いわゆる登山届を出すことが推奨されています。

登山届を提出していれば、誰がいつどの山に登山したか把握され、行方不明時の捜索にも役立ち、また目撃情報なども集めやすくなります。

さらに登山条例を制定した地方自治体によっては、登山計画書を提出していない場合は、登山の許可が下りないこともあります。

ただし、それでも登山届を出さずに登山する人間は多く、仮に遭難した時には大事になります。

例えば、行方不明者がいつ、どのルートで山に登ったのか、またどこで消息をたったのかなど、消息の把握がしづらくなり、発見される可能性が低くなってしまいます。

そして、最も問題なのは、登山届を出さずに行方不明になると、自分から行方をくらました、つまり失踪と同じ扱いになってしまうということなのです。

仮に山で遭難や滑落して死亡した場合、速やかに本人の死亡が確認されれば、生命保険や団信などの保険がおります。

しかし「失踪」ということになると、まだ死亡扱いにはならないため、保険がおりなくなってしまうのです。

失踪扱いは死亡認定されない

さて失踪扱いになると、生命保険がおりないため、遺族はローンが免除されず、代わって返済義務を負うことになります。

家族ぐるみで不動産投資をやっていればそれでもまだ良いのですが、夫もしくは妻が単独でやっていた場合、遺族は慣れない不動産賃貸業に右往左往しながら借金だけが残る事態に陥る可能性があります。

また家族に隠してやっている場合は、遺族は返済義務があることも全く知らず、ある日突然、莫大な金額の返済を迫られることもあるのです。物件を売却しても返済できない場合は、最悪、自己破産もあり得ます。

その他にも、通常の死亡であれば、会社から退職金などが支給されますが、失踪扱いになると退職ではなく解雇になり、退職金が出ないこともあります。

特に、無断欠勤による解雇は、懲罰的な意味合いを持たせることもあり、こちらも最悪の場合は、損害賠償を求められることもあります。

このように、登山届を出していない状態での遭難は、家族に対して非常に大きな迷惑をかけてしまう可能性があるのです。

不動産投資をしている人は、遭難のリスクがある登山などのレジャーを楽しむ場合は必ず、登山計画書などの届け出を警察署に出すようにしましょう。

自分は健康だから、山に慣れているから、などと油断するのではなく、家族がいる人は最低限のエチケットとして、登山届と保険付保だけはしておきましょう。

失踪から7年で死亡認定される

ところで、失踪してから7年が経過し、遺族から家庭裁判所に申請すれば、失踪宣告が取り消されて、死亡扱いになります。

そうして死亡が確認されれば、生命保険や団体信用生命保険から、保険金の受け取りが可能になります。

ただし、7年間は非常に長く、その間に遺族が数々の不都合に遭遇する可能性は高いです。

投資で家族を守っていきたいのであれば、不動産投資家の義務として、必ず登山届を出すようにしましょう。

まとめ

不動産投資は、大きなメリットもある一方で、大小様々なリスクも存在することは間違いありません。すべてのリスクを排除することはもちろん不可能ですが、ある程度、どういうときにどんなリスクがあるのか? を知ったうえで、リスクテイクする、またはリスクリターンのバランスを計算する、ということが重要になります。

特に、一般的な不動産投資は、レバレッジという名の下に、多額の負債を背負って不動産を取得し、賃貸運営していくわけですから、自身はもちろんのこと、家族にもそのリスクを説明して、納得したうえで始める必要があると考えます。

不動産投資の始め方については、私が書き下ろした『不動産投資かんたんスタートアップガイド』を期間限定で公開していますので、ご興味ある方はダウンロードされてみてください。

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カモにされる?公務員が不動産投資に失敗する4つの理由

「所得税の節税ができる不動産投資を始めてみませんか?」
「公務員が投資するのにお勧めの不動産を用意できます!」

そんな謳い文句で不動産投資ビジネスに引っ張られそうになった公務員の方はいませんか?

確かに「節税」という観点から考えれば「損益通算」という仕組みを利用して、納める税金を減らせる場合もありますが、不動産投資と給与所得などを合わせて赤字が出ていないといけないのでこれだと本末転倒といえます。

また、個人が莫大な初期費用のかかる不動産投資にやみくもに手を出すのは危険で投資に失敗したときには返せるか分からない借金を抱えてしまう可能性もあります。

そんな公務員がカモとして狙われるのには4つ理由があります。

そして、その理由は大きく2つが挙げられ、公務員が不動産投資に失敗する理由にもなっています。さらに、失敗する理由はそれだけではありません。

現役の公務員の方にとっては少し耳の痛い内容もあるかもしれませんが、不動産会社に狙われないためにも是非通読していただきたいです。

【失敗する理由1~信用があるからこそ狙われる~】


ある程度の資本を持たない方が不動産投資を始めるには、銀行からの資金借り入れが必須になります。

その借り入れをする際には「与信」が大切になってきます。

例えば、明らかに収入が少ない方や勤め先の経営状況が悪い方などにお金を貸したいと思いますか?

個人レベルでも経済能力に乏しい方にはお金を貸したくないはずですよね。

銀行など大きなお金を貸し出す金融機関ならなおさら信用はなくてはならないものです。

公務員は収入が安定していて、国や地方自治体に雇われているので勤務先が破綻することもほとんどありません。その点から考えても、公務員は銀行からの信用が高いと言えるのです。

ただ、公務員のそのような属性を狙って不動産投資に引っ張り込もうとする悪徳会社がいるのも事実です。むしろ、それがカモとして狙われる理由の一つです。

このような会社が狙っているのは、公務員の安定的な給料と銀行からの信用をもとに得た運用資金です。

価格の高い物件を売りつけ、説明もあいまいな会社は要注意といえます。

悪徳不動産会社が考えているのは自社の利益や売り上げだけの場合が多く、お客さんのことまで考える会社は一部です。

また、お金を貸す金融機関にしても貸した相手がちゃんと返済できることが重要であって、その人が不動産投資で成功することを一番に願っているわけではありません。

【失敗する理由2~不動産知識に乏しい~】


不動産に関連する職業の方ならまだ分かりますが、不動産の知識が全くない公務員がいきなり不動産投資を始めるには非常に危険です。

そもそも公務員は営利目的で働いてはいないですよね。

ですから、「利益をあげる」という視点に欠けているといえます。そのように考えたら収益をあげ続けなければならない不動産投資で利益をあげる視点が欠如した人間が始めるのには無理があります。

ですから、その前にお金や不動産の勉強をする必要が出てきます。

例えば、利回り(物件価格に対する賃料収入の割合)の高い物件を営業マンに勧められ、それを鵜呑みにして物件を購入してしまったとします。

その営業マンは単純に「利回り9%」、「借入金をすぐに返済できます」といった文句で勧めてくるかもしれませんが知識のない方は正しい判断ができません。

このケースでも一見すれば利回りが高く収益があがるように思えますが、利回りが高い物件は「中古物件」のケースも多く、中古となれば当然修繕費等もかかってきます。

不動産会社が提示するのはあくまで「表面利回り」と言って、満室想定時の賃料収入かつ「維持管理費等の諸費用」を加味しない数字です。

こういった基本的な不動産の知識すら持たず、利益をあげることに希薄な点が、公務員が狙われるもう一つの理由です。

【失敗する理由3~楽観的な想定をしてしまう~】


不動産投資に限った話ではありませんが、ビジネスをして儲ける、つまり利益を生むためには、起こりうるリスクもしっかりと把握し、綿密かつ入念に収支を想定する必要があります。

もちろん、不動産投資にも空室リスクをはじめ、いくつかのリスクが存在しています。

これは上記の理由とも似てくる話ですが、公務員の場合、「利益をあげる」ということを意識して仕事をするということはあまりありません。

ビジネス的な思考能力が、一般的なビジネスマンと比較して不足しているということです。

ですから、リスクを真剣に考えず、営業マンや広告のおいしい内容ばかりに気を取られがちです。

「なんとなく儲かりそう」といった感じで公務員が不動産投資に手を出し、思わぬリスクが発生して、想定外の損失を被るということも珍しくないのです。

たとえば、関東地方のある市役所に勤めるCさんは、利回りのよさに注目して地方の田園地帯にある8部屋のアパートを購入しました。

交通の便はあまりよくなく、人口も少ない地域でしたが、近くにとある企業の部品工場があり、そこで勤める人たちが入居してくれる物件だったのです。

実際、購入してからしばらくの間は、満室状態が続き、安定的に家賃収入を得ることができました。

しかし1年半が過ぎたころ、その企業は部品を海外工場で製造することに決めたため、工場は閉鎖されることとなり、勤めていた人たちも一斉にその地を去って行ってしまったのです。

もともと交通の便も悪く、人口も少ない地域だったので、アパートは一気に空室だらけとなり、Cさんは毎月20万円余りの損失を公務員としての給料で穴埋めすることになってしまったのでした。

このような失敗を防ぐためには、投資のおいしい側面ばかりに注目して、安易に楽観的な想定をしないことです。

不動産投資を行うのであれば、10年、20年先のことも含めて起こる可能性がある、あらゆるリスクを想定し、本当に利益をあげられる可能性が高いのかどうかを慎重に見極める思考能力が求められるのです。

【失敗する理由4~副業禁止の規則に抵触する~】


失敗といえるかどうかは微妙ですが、公務員の「副業は禁止」という規則にも気をつけなければなりません。

投資イコール副業とみなされるわけではありませんが、不動産投資の規模が一定の基準を超えた場合には副業とみなされることになります。

投資とみなされるか、副業とみなされるかを分ける基準は次のとおりです。

「戸建ての場合なら、家屋数が5棟以上か否か」
「マンションやアパートの場合なら、部屋数が10室以上か否か」
「年間に得られる家賃収入が500万円以上か否か」

許可を得ることなく、以上の基準を超えた不動産投資を行い、それがバレた場合には「副業についている」と判断され、何らかの懲戒処分が下さられる可能性が高くなります。

また、物件の管理を自ら行っている場合には、「大家」という副業についているとみなされる可能性が高くなりますので、管理はすべて不動産会社などの業者に委託してしまう必要があります。

このように、副業禁止という側面から見た場合も、公務員が不動産投資を行うにはさまざまな制限やデメリットが存在するのです。

【最後に】

ここまで見てきたように、公務員が不動産投資に手を出そうとすると悪徳不動産業者のカモになりやすく、また、知識の乏しさやリスク想定の甘さから安定的に利益を得るのは容易なことではありません。

それに、規則との関係で不動産投資を行うこと自体にさまざまな制限がかかります。

職場に内緒で不動産投資に手を出し、利益を得るどころか損失を出し、その挙句、職場にバレて軽い処分で済んだならまだしも、職もなくし資産も失いということになってしまっては元も子もありません。

不動産投資に限らず、投資で利益を得るためには豊富な知識と利益を出すためのビジネス思考能力が必要です。

おいしい言葉にだまされたり、甘い見通しだけ持ったりして安易に不動産投資に手を出すことは、やめておいた方がいいでしょう。

しかし、それでもなお不動産投資に興味があるのなら、「カモにされてしまう場合もある」ということも考慮し、しっかりと不動産の知識を身に付けて臨んでください。

 

ライバルは地主系大家!?地方不動産投資の注意点と3つの特徴

地方は都心に比べて人が少ないです。若い世代は地元を出て都市部で働き、地方には老人ばかりが残っているーーー地方と聞くとそんな過疎化したイメージを抱くかもしれません。

それでも私は、地方でも人っ子ひとり居なくなるわけではない以上、選ぶ物件さえ間違わなければ、たとえ地方でも空室リスクを抑えながら賃貸経営することが可能であると考えています。

人が住むという需要はどんなに地方であっても確実に存在するからです。そこへ賃貸に出すことさえ出来れば、安定的な収入を得られることができます。

そして多くの人が地方はリスクが高いと考えれば考えるほど、物件の購入価格は安くなり、高利回り物件を買えることが地方不動産投資の最大のメリットなのです。

この記事では、

・地方不動産投資の特徴3つ
・地方不動産投資で注意すべきこと

をご紹介いたします。

地方不動産投資における3つの特徴

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高収益を得やすい

一般的に地方の土地価格は安いです。都心に比べて5分の1、中には10分の1という土地もあります。もちろん家賃の価格帯も都心に比べれば低くなりますが、それでも土地価格ほどのギャップはありません。

例えば、都心で10万円のワンルームが地方で5万円になることはあります。また、狭小ワンルームで3点ユニットとなれば、都内23区内であっても5~6万円といったところですが、地方で3万円程度、最安値でも2万円程度です。つまり土地価格ほどの格差は家賃にはないため高収益(高利回り)を得やすいのです。

しかし当然のことながら、いくら安く買えても入居者がきちんとついて高稼働しなくてはいけません。たしかに地方は都心に比べて人口は少ないです。都心に暮らす人には想像がつきにくいかもしれませんが、地方にだってたくさんの人が住んでいます。

アジアの新興国に行けば、首都の中心部だけ高層ビルが乱立しているのに、そこから一本路地裏に入ると、道路がアスファルトではなく砂利敷で、バラック小屋が建ち並んでおり、その落差に驚かされます。もっと田舎に足を延ばすと商店が一軒もない、そんな風景が普通です。

それが日本ではどうでしょう。どこに行っても同じような都市の風景が見られます。幹線道路沿いにはガソリンスタンドや飲食店、大型ドラッグストア、紳士服やカー用品などのチェーン店が同じように建ち並んでいます。

街の風景だけではここが何県の何市なのか判別つかないほどです。地方とはいえ、日本においてはそこそこの生活が成り立っているため、借り手としての賃借人がゼロではないということです。

家賃レンジが低い

なにより地方投資の特徴は家賃の価格帯が低いことです。僕が所有する地方物件でターゲットとなる入居者層は、ファミリー物件でも月5~6万円、シングル向けなら月3~4万円です。

年収1000万円以上の高属性が多い不動産投資家は、家賃5万円の部屋に家族で暮らす人たちの生活イメージが沸かないと思います。しかし、世の中は年収の低い世帯のほうが圧倒的に多く、むしろ高属性・高年収の人たちのほうが少数派であることを理解しましょう。

購入時・運営時ともにライバルが少ない

都心に比べ、地方物件はライバルが少なく、購入しやすいです。都心の物件は誰もが欲しがるため投資家が殺到します。

宅建業者(宅地建物取引業者)だけが閲覧できる専用ポータルサイト「レインズ」には、売り物件の情報が掲載され、それが日々更新されています。そこには、たまに間違って値付けられた都心の割安物件が掲載されると、1時間もしないうちに買い付けが何本も入り、即売り止めになります。

一方で地方は、僕が見て「まあまあいいかな」と及第点をつけた物件すら3ヶ月、6ヶ月とレインズに掲載されっぱなしのケースもあるのです。

また、ライバルの少なさは購入時だけはありません。加えて地方は不動産投資の運営が容易です。それはライバルが地主系大家さんがだからです。

地主大家さんは強力なライバルなのか?

土地という資産を持った地主大家さんがライバルだなんてデメリットだと思った方、それは大きな誤解です。

都心には戦略的にアパートやマンションを買っている不動産投資のプロ、セミプロがたくさんいます。

そのほかのライバルにはREITやファンドといった機関投資家、それに大手資本が保有・運営するマンションも多く、個人投資家にとっては圧倒的に不利な状況なのです。

地主系大家の目的は資産承継

一方、地方の不動産投資におけるライバルの地主系大家さんは、「不動産投資で成功したい」「より収益を上げたい」という思いは一般的にあまりありません。

なぜなら、彼らは相続税対策のためにアパート・マンションを建てたのであり、主な動機は「先祖代々の土地を守りたい」という資産承継が狙いだからです。

私は今から20年ちょっと前に、大和ハウス工業で、店舗建築の営業をしていました。そのときのお客さんはすべて地主さんでした。

そもそも相続した土地を更地のまま放っておけば、多額の税金が課せられます。

しかし建物を建築して第三者に貸せば、他人の権利(賃借権)が発生しますから土地の価値も下がります。これを「貸家建付地」と言います。

所有者も高齢になり、相続を意識するようになれば、貸家建付地にして相続税を圧縮すべく、敷地にアパートやマンションを建設するのです。

そのときの建設費は、信用金庫や農協など地元の金融機関から融資を受けます。こうして「負の資産」を作ることにより、さらに相続税評価の財産は目減りします。

入居者からの家賃収入でローン返済がまかなうことができますので、地主系大家さんにとっては相続税対策としての魅力があるのです。

そのような背景があるため、地方では空室をあまり気にしない、ゆとりのある大家さんが多いのです。

投資家ほど入居率にこだわらない地主系大家

彼らは自分のアパートが空室になったとしても、これといった対策をしない人が多いです。

節税対策になれば、それで満足といったスタンスなので、物件を高稼働させて利益を上げる・・・そんな概念が皆無です。

先代の建てたアパートを息子が引き継いだものの、さしてアパート経営に興味もなく、管理を面倒くさがり放置したままにしたり、売り払ってしまうケースもありますが、それは地方でよく見かける光景です。

それに比べて東京の、それも都心においては、意識の高い大家さんが多く、とことん経営にも優秀で、部屋の設備などバリューアップに余念がありません。

地方になると、簡単な掃除レベルで済ませている「原状回復」が多くなります。原状回復工事とは、元の状態に戻す工事のことです。

新しい入居者を迎え入れるため、部屋の設備をきちんとして室内をキレイに整えておくという、いわば最低限の工事なのですが「入居者が決まってから工事をする」という昔から意識の変わっていない考え方の地主系大家さんも多くいます。

このように大家さんの意識にも差があるので、地方物件においてはフローリング材を白色に変更するだけで、「目立つ賃貸物件」にすることが可能なのです。

最近は地主系大家さんも勉強している

とは言え、いつまでも地主系大家さんを舐めていると痛い目に遭います。

以前は地主系大家さんの参加する勉強会は、ほとんどが「相続税対策」でしたが、いまでは優秀な3代目4代目という若い地主系大家さん中心に、地方でドミナント戦略で買い増ししていく、不動産投資家気質の地主系大家さんも増えているのです。

地方における「良い立地」とは?

都心と地方では「良い立地」の定義が異なる

賃貸物件における人気沿線や人気駅のランキングが発表されていますが、人気駅から徒歩圏の物件であることはとても強力なアピールポイントとなります。

また、同じ駅でも徒歩1分の立地と、電車を降りて10分以上も歩かなければならない立地とでは、不動産の価値に大きな差が出ます。バス便であれば、更に大きなハンデとなります。

しかし、こうした価値観は都心ならではのものです。

地方は車社会

多くの地方…たとえ首都圏であっても、郊外といわれるエリアでは車社会となり、とくに駅からの距離は関係ありません。

たとえ駅から徒歩1分でも、あるいは40分も歩かなければならない距離に物件があったとしても、通勤先も郊外ということが多いため、必ずしも電車を利用するとは限りません。

駐車場さえあれば賃貸付けや家賃の額に影響を及ぼさないでしょう。

地方のファミリー物件では駐車場は必須

とりわけ購入するのがファミリー向けであれば、駐車場の確保が賃貸付けの決め手になります。

たとえば、単身者向けであれば駐車場は1台ですがファミリー向けであれば2台置けることが必須となります。

そして立地の見方も主要道路へのアクセスであったり、車の出し入れが容易かどうかといったほうが重要です。その点をクリアすれば、それほど立地や建物のスペックにおいて
神経質にならなくてもいいといえます。

逆にどれだけ魅力的な物件であっても駐車場の必要台数を満たしていなければ、賃貸付けは難しくなります。

そうした物件は割安で売られていますから、近隣に駐車場を借りることができるか、もしくは隣地を購入して駐車場にできるかなどを検討します。

駐車場までの距離にも注意が必要

その際に注意すべきは建物から駐車場までの距離です。

都心の感覚では駐車場まで多少は歩いてもよいと考える人も多いですが、地方では駐車場がすぐそばになければ、「遠い」と敬遠される傾向にあります。

そのため近隣に駐車場を確保できたとしてもその距離や導線には注意が必要です。

できれば敷地内か隣地が理想で、遠くても1分以内の場所に駐車場が用意できることが必要です。通り一本はさんだ向かい側は、敬遠される可能性があります。

地方投資で注意すべきこと

駐車場のほかにも地方ならではの注意すべきポイントがあります。基本的に自分がその地方に住んでいない限り、投資物件が自宅から離れた場所にあります。

物理的に距離があれば、管理をするのは大変だと思われるでしょう。その通りでもありますが、ある程度オーナーが動くことで円滑に運営する仕組みをつくることができます。

そもそも地方物件は高稼働できなければ単なる田舎の物件で終わってしまいます。そのため運営がスタートしてからの数カ月は積極的に管理会社へ足を運ぶ必要があります。

初動をしっかりと行ない、管理会社と信頼関係を築くことができれば、よほどのトラブルが発生しない限り現地へ赴く必要はありません。

そのエリアに賃貸需要があるか

それよりは、そのエリアに賃貸需要があるかどうかが重要です。エリアや物件の選定を間違ってしまうと命取りになります。

たとえば山の中にポツンと建っているアパートなど誰も住みたがりません。

何を隠そう、いまでは偉そうに言っている私も4棟目のアパートを購入したときは大失敗しました(苦笑)。

日々の仕事の忙しさにかまけたこともありますが、いくつか物件を購入して気のゆるみが出たこともあったのでしょう。

事前調査はしっかりと行なう

しっかりと物件の立地を調べないまま、物件を見もせず不動産仲介会社の「大丈夫です!」という言葉を信じて買ってしまいました。

購入後から4カ月の間に退居が相次ぎ、最後は入居が7戸中で1戸という状況に陥ってしまったのです。

ここまで空室が増えると、その物件だけで返済できなくなります。

その他のマンションやアパートからは家賃が順調に入っていたので、全体として持ち出しにならないまでも、単体として大赤字です。

ようやく物件を見に行くと、のどかな田んぼの真ん中にポツンと私のアパートは建っていました。

そして、仲介をしてくれた不動産会社にも確認したところ、現地へ一度も行っていなかったと後に知りました。

投資家が物件を見に行けない場合は、最低でも仲介会社に現地調査を委託すべきです。この時、不動産投資に詳しいプロが担当してくれる不動産会社から買うべきだったと痛感しました。

この物件はその後、管理会社と二人三脚で賃貸付けを進めることで、なんとか半年後には満室にできました。

当時の経験があるからこそ、今はある程度空室のある物件を買ったとしても、埋めていく自信があります。

そのような意味においては「大家力」がアップした体験となりましたが、本業に忙殺されて空室対策ができない人も多いでしょう。

地方投資における融資付けの難しさ

賃貸ニーズのある地域を選べば、地方投資にそこまでのリスクはありません。

そのため駅の乗降客数や町の人口を気にするよりは、需給バランスが崩れていないことを確認します。

金融機関の融資は「居住地主義」

そうしたリサーチは大切なことですが、まずは物件が買えなければ不動産投資がスタートできません。

物件を購入するにあたり、注視すべきは「融資付け」です。

今、あなたが東京に住んでいたとします。

そして、東京にある地方銀行・信用金庫から融資を受けて縁もゆかりもない地方にある物件を買うことを考えた時、それはとても難しいはずです。

なぜなら居住地である東京から、遠く離れた場所にある物件を担保として見てくれないからです。

それでは、その物件のある地方の地銀を使うのはどうでしょうか。今度は人的担保を問われて断られることになります。

金融機関が重視するのは、

投資家の身柄が「どこ」にあるのか。物件の場所より投資家が「どこに住んでいるか」を重視します。

これを「居住地主義」と言います。

融資の厳しさは本来レベルに戻った

ここ最近、融資が閉じている…と言われていますが、たしかに融資を受けるための条件や審査基準は以前より厳しくなりました。

それ以前に、そもそも居住地から離れた物件は買いにくいものなのです。

以前は居住地以外のエリアに融資を出す地銀がいくつかありましたが、それこそイレギュラーな話だったのです(今でも地方融資が可能な金融機関は少数ながら存在します)。

今はどちらかというと、個人投資家については不動産融資バブルが終わり、本来の融資審査レベルに戻ったと言えます。具体的には、フルローンなどは減り、少なくとも頭金として2割と諸費用分は入れないと買えなくなった、という真っ当な水準まで戻ったということですね。

まとめ

都心や地方に関係なく、どのようなアパートやマンションにしても、2年から4年に一度は入居者が入れ替わっていくものです。

入居者から退居通知が届けば誰だって、とりわけ不動産投資をスタートしたばかりの人であれば、「これで来月から家賃収入が5万円も減ってしまうのか」と気分も落ち込むことでしょう。

不動産賃貸経営において、退居が出るのは避けられないことです。これは都心であっても地方であっても同じでしょう。

しかし、空室期間を少しでも短くすることは可能です。古い考え方で怠慢な賃貸経営を行なう大家さんがいる一方で自身の経営努力でコントロールする大家さんもいるのです。

経営努力といってもそんな大層な話ではありません。信頼のおける業者へリフォームを依頼し、客付け力があり、相談の出来る管理会社に運営を任せることができるのであれば、定期的な退居も、逆に部屋のクオリティーを維持していくための良いチャンスになるはずです。

東京に住みながら地方物件の購入は困難を極めます。裏を返せばこのようなハンデがあるから高利回りになります。ファイナンスが難しくなるほど買える人が減り、物件は売れ残るからです。

あまり売れない期間が続くと、売り主は「値段が高いのかな?」と判断して値下げをします。その結果、どんどん高利回りになっていくので、買主にとっては大きな買い場のチャンスとなるのです。

不動産だけに限らず、「欲しい!」という人が多ければ多いほどそして商品の数が少なければ少ないほど、その価値はあがっていきます。

これまでは融資が受けやすい状況で買える人が多くいましたが、今は融資が受けにくい状況です。そうした中で、地方の物件はより一層、買いにくくなっています。だからこそ、私はお買い得な高利回り物件が他方にこそあると今改めて思うのです。

物件が買いにくいこの状況は、むしろチャンスともいえますが、融資を受けて購入した物件で空室が埋まらないのは死活問題です。

私のように複数物件があるならともかく1棟だけでは赤字を給料から補てんすることになります。それゆえ地方投資ではエリアや物件の選定はとても重要といえるのです。

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公務員が不動産投資を行う場合の3つの注意点と3つの弱点

最近、公務員が不動産投資に参入するケースも増え、安定した不労所得が得られる不動産投資のニーズが高まっています。

その要因としては、
✔︎ 一生懸命働いているのに給料が一向に上がらない」
✔︎ 残業が多い
✔︎ 年功序列の人間関係が嫌だ
✔︎ 将来仕事がAIに奪われるかもしれない…

こうした悩みや不安を抱える公務員が増えているからです。

公務員という職業は、不動産投資をする上での与信が高く、その結果、金利が優遇されたり借入可能額が比較的高いなど、一般のサラリーマンよりも有利な点が多いのも事実ですが、逆に公務員である故に気を付けなければならない点もあります。

そこで今回は、公務員が不動産投資をする際の注意点や対策について考えてみました。私自身は公務員ではなく、民間企業に勤務するサラリーマンとして不動産投資を開始しましたが、やはり副業兼務規定は気になった経験があるのと、友人には公務員の兼業大家も多いため、この記事をまとめてみました。

1.公務員が不動産投資をする際の3つの基本的な注意点

(1)事業的規模かどうかに注意すること

公務員が不動産投資を行う際、国家公務員法103条と地方公務員法38条の副業禁止規定の壁をクリアする必要があります。これらの法律に違反すれば懲戒処分の対象となります。

副業禁止規定をクリアする条件は、不動産投資が「事業的規模」かどうかによって変わります。事業的規模でない場合には副業とはみなされません。「事業的規模でない」とは、以下を指します。

・独立家屋の場合、5棟以上
・アパートやマンションの場合、10室以上
・月極駐車場の駐車台数10台以上
・コインパーキングを賃貸経営する
・年間賃貸収入が500万円以上である

いわゆる5棟10室の原則です。「事業的規模」というのは会計用語で、それに満たない場合は「業務的規模」と呼称します。

事業的規模でなければ、本業に支障をきたさない限り、自分で不動産管理に携わることができます。「事業的規模」である場合は、自分で不動産管理を行うことは認められておらず、必ず管理会社へ委託しなければなりません。

「事業的規模」に該当し、不動産投資が副業とみなされる場合は、自営兼業承認申請書(不動産等賃貸関係)等の書類を所轄庁経由で、人事院に提出して、承認を得なければなりません。

具体的な必要書類は以下のとおりです。

・自営兼業承認申請書
・貸借条件一覧表(レントロール)
・物件概要書
・物件の管理委託契約書

また、自治体によってルールが異なるため、不動産投資をする前に、「規模」「経営方法」「事前承認の有無」は必ず確認しましょう。

(2)公務員が不動産投資をする際の税金

不動産投資が「事業的規模」でない場合は、所得税申告の際、65万円の青色申告特別控除が適用できません。したがって、青色申告特別控除は10万円が最高額です。一方「事業的規模」である場合は、65万円の青色申告特別控除が適用できます。

また、一般企業のサラリーマンが副業をし、確定申告や住民税の申告をするときは、住民税の計算明細書から副業収入が会社にバレないようにするため、特別徴収の欄にチェックを入れないのが一般的ですが、公務員の場合、不動産投資による副業収入が職場にバレても問題ありません。不動産投資の事前承認を得ているか、それが不要な場合のどちらかだからです。

したがって、特別徴収の欄にチェックを入れても問題なく、住民税を自分で納付する手間が省けます。

(3)すべての副業に共通する基準を守ること

不動産投資を含め、公務員が副業をする際、あらゆる副業に共通する基準を守らなければなりません。国家公務員法の第99~101条で公務員として次のようなことが定められています。

・職員は信用を失うこと、不名誉なことをしてはならない。
・職務の中で知った秘密を漏らしてはならない。
・勤務中は仕事に集中しなければならない。

これらに該当する場合、法律違反になります。

2.法人化を活用した副業禁止規定のクリア

(1)メリットが多い不動産管理の法人化

通常、不動産投資をするとき、個人の名義で銀行から融資を受け、不動産を所有します。これに対し、「資産管理法人」を設立すれば、名義がすべて設立した法人の名義となります。

「資産管理法人」とは、自分の不動産を管理してくれる会社のことをいいますが、不動産管理会社のことではありません。ここでいう「管理」とは、法人が不動産投資の「主体」になるという意味です。

資産管理法人を設立すれば、不動産投資の主体が法人となり、個人が営む事業とはならないため、副業禁止規定をクリアすることができます。

個人で不動産投資をすると「経費」として認められる範囲が非常に限定されますが、 資産管理法人を設立すれば、利益に対して支払われる支出を原則損金※として扱うことができ、利益を減らせるため、個人の場合よりも節税できます。
※ 損金とは、法人の支出した経費のことで、個人の「利益」に相当する「益金」の反対語です。

また法人の場合、個人のように「事業で使っている部分だけ必要経費化する」というルールがなく、法人名義で保有する減価償却資産のすべてを事業用として全額経費計上することができます。

(2)法人化するときの注意点

「公務員が法人を設立することは兼業禁止規定に反するのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、いくつかの注意点を守れば、法人化が可能なのです。

・代表取締役の設定と株式比率

まず、資産管理法人を設立する公務員自身が代表取締役や役員になってしまうと、公務員法に違反する可能性があるため、民間人の配偶者などの親族を代表取締役とする必要があります。

ただ、そうすると公務員が融資の対象でなくなるため、銀行から融資を受ける時に不利になります。そこで、配偶者を代表取締役にしつつ、公務員たる投資家自身が100%の株式を持つようにします(銀行によっては、投資家本人の株式比率が50%程度でも融資が得られることがあります)。

・資産管理法人の本店所在地

次に、本店の所在地を実家等、できるだけ自宅とは違う住所で登記するようにします。税務署等の行政調査があった場合、公務員の自宅に税務署の職員を調査することになり、誤解を招きかねません。レンタルオフィスやバーチャルオフィスも検討してみましょう。

・役員報酬と給与の設定

最後に「役員報酬」です。資産管理法人を設立しても、公務員自身に対して会社から役員報酬を出してしまうと国家公務員法に抵触する恐れがあります。そのため、法人の役員報酬については、公務員を退職するまでゼロに設定しておきます。代表取締役である配偶者に対して給与という形で支給することで、法人の利益をコントロールするとよいでしょう。

資産管理法人の形態には、株式会社、合同会社、一般社団法人などがありますが、上記のとおり、株式があるということは、公務員の場合、必然的に「株式会社」を設立することになります。株式会社の設立に必要な費用は概ね20~30万円です。

3.不動産投資における公務員の弱みと対策

(1)与信があることを逆手にとられる

公務員はあらゆる職業の中でも信用が高く、それは銀行だけでなく、不動産会社の営業マンにとっても周知の事実です。そのため不動産会社からすれば、公務員は何よりの優良顧客なのです。

当然不動産会社としては仲介手数料が欲しいので、公務員には高額な不動産を勧めてきます。融資が出るギリギリの物件を何とかして売ろうとします。このとき、営業マンは巧みなセールストークを駆使してきますので、予備知識がないと口車に乗せられてしまう恐れがあります。

営業マンが高額物件を勧めてきても、きっぱりと断る態度を示すことが重要です。これは公務員に限った話ではありませんが、額の多寡ではなく、しっかりと収益性が出る物件なのか、もしくは資産性が高い物件なのか、など自身の投資判断の基準を明確に持っておき、それに合わない物件は買わない、と決める勇気も必要です。

営業マンは、営業しながら投資家の知識や経験を測っています。初心者だと思われると、カモにされてしまう恐れもあるため、自分自身の考えをはっきりと示すことは、公務員の不動産投資においてとても重要です。

(2)ビジネススキルが低い

公務員の勤め先は一般企業のように営利組織ではないため、公務員は「利益を出す」という意識が一般企業の会社員に比べると低いことが多いです。そのため、本人が自覚することなく、高額な物件を買わされてしまうということがあります。

こういう書き方をすると公務員の方には失礼ですが、知識や経験の浅い人は不動産投資を始める前に、不動産投資で利益が出る仕組みをしっかりと勉強する必要があります。

(3)リスク対策に対する意識が甘い

また公務員は職が安定しているせいか、一般企業の社員に比べて危機感が少なく、楽観的になりやすい傾向にあります。そこで問題なのがリスク対策です。不動産投資に対する考えが楽観的すぎると、空室対策などのさまざまなリスク対策ができず、問題が起こったとき、対処に苦労することになります。

なので、事前に不動産投資に関する知識を本などから収集してよく理解することです。特に先輩投資家の失敗談をよく読むとよいでしょう。失敗談を聞くことで、不動産投資に対する危機管理能力が養われます。

4.公務員の不動産投資のまとめ

以上に挙げた点に注意しながら、失敗のない不動産投資に取り組みましょう。特に、副業禁止規定に抵触すると、懲戒処分の対象となり、本業にも影響が及ぶので注意が必要です。また、公務員と並行しながら不動産投資を行うにあたって、すでにその経験のある公務員の方の話を聞いてみるのもいいでしょう。また、公務員の不動産投資家でブログを運営している人もいるのでそういう人と情報交換をしてみましょう。

不動産投資について更に理解を深めたい公務員に向けて、現役不動産投資家である私、杉田卓哉(椙田拓也)が書いた『公務員が不動産投資で成功するマニュアル』という30ページあるPDFレポートを期間限定で無料公開しています。読んでみたい方は、下記のURLよりダウンロードしてください。
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独身女性が不動産投資に向いている7つの理由と公庫融資の5つの特徴

いまは多種多様な自由選択ができる時代です。独身女性も例外ではなく、自分の幸せについても自由に設計することができます。その一方で、自分ですべてを選択する時代だからこそ、男女の差も言い訳にできない厳しい状況に身を置いていることも事実です。
ちなみに、

✔︎ 自分で自由に使えるお金を確保したい
✔︎ 給料+アルファの収入が欲しい
✔︎ 働き詰めでなく自分の時間も欲しい
✔︎ 老後もお金のことで苦労したくない

このように思う若い独身の女性も多いことと思います。自分の人生を変えるのは自分自身しかいません。あなたの将来、例えば5年先や10年先をより豊かにするための選択肢として、不動産投資を志す独身女性も急増しています。

そこで、この記事では主に独身の女性が不動産投資をする時、

■ 女性に融資してもらえるのか?
■ その融資の条件は?
■ どんな物件を買えばいいのか?

などの不安が多々あると思いますので、独身の女性が融資を活用した不動産投資で成功するために必要な情報をまとめてみました。

独身女性にこそ不動産投資が向いている7つの理由

平成29年度の厚生労働省発表の平均寿命は男性81.09歳、女性87.26歳となっており、その男女差は6.1歳あります。また、夫婦の年齢差の平均は同じく2.2歳と公表されており、つまり平均的には夫の死後、妻が8.3年くらい独りで生存する計算になります。

男性より長寿の傾向があるからこそ、独身女性に限らず女性の場合、特に将来のお金に対する不安が大きくのしかかります。老後や、夫が早逝した場合に、その後どうやって生活していけばいいのだろう? そんな不安がある女性には、解決策の一つとして不動産投資という選択肢があります。

ここでは、女性こそ不動産投資に向いていると思う7つの理由について、以下に説明していきます。

1.女性創業支援融資を利用する

日本政策金融公庫では、独身女性、既婚女性に限らず、女性で35歳未満か55歳以上の人の中で、 新たに事業を始める方や事業開始後おおむね7年以内の方に融資を行なっています。融資の限度額は7,200万円(うち運転資金 4,800 万円) まで、また返済期間も最長で20年と長く、女性など属性面で民間の市中銀行からなかなか相手にしてくれない事業者の心強い味方が日本政策金融公庫と言えるでしょう。

実際、私の知人の不動産投資家も、当時は独身OLでしたので、年収も低く社会的な信用面では強い属性ではありませんでした。不動産会社や銀行からも相手にされなかったそうですが、積極的にいろんなセミナーや大家会などに出向いていって情報を収集していたところ、「独身女性のOLなどの社会的弱者が不動産投資する場合は公庫が優しいらしい」という意見を多くもらえて、公庫の門を叩いて晴れて不動産投資家デビューを果たせたそうです。

その際に適用してもらったのが女性の創業支援枠という融資制度で、特例の条件を満たせば融資期間を長く伸ばしたり、建物部分の金利を優遇してもらえたりします。

2.私設年金がわりとしての不動産投資

近年では、女性が男性と同じように社会進出して働くことができる環境が整ってきています。が、それでも男女間の賃金格差は今なお大きく、女性の平均賃金は男性の6~7割程度になります。

もちろんこれは、結婚や出産といったライフイベントから来る長期休職や時短勤務などの影響や、そのほかにも夫の扶養に入るため敢えて勤務時間を減らして労働する、といった固有の理由も背景には大きく存在すると思われます。

それでもやはり、そうした背景から昇進や昇格といった機会において、男性に比べて女性が不利なケースは未だ多いと予想されます。賃金が低ければ、その分年金も少なくなってしまい、ただでさえ長寿が予想される女性にとって、老後の資金面の不安は当然降りかかることになります。

そこで、公的年金ではまかないきれない生活費の不足分を、家賃収入などの副収入で補うことは非常に有用な手段であると考えます。

3.他の投資に比べてリスクが少ない不動産投資

投資というと、毎日マーケットの値動きを毎日気にしていないといけないイメージが強いですが、不動産投資では短期的な値動きがないため、そのような心配は要りません。

株やFXなどは安く買って高く売るという「売却利益」を目的とした投資手法であり、ボラタリティー(価格の変動幅)に依存する投資です。リターンが大きい反面、リスクも当然大きくなります。

一方、不動産投資は売却益だけでなく、毎月得られる「家賃収入」というインカムゲインを主目的にした投資です。家賃収入は景気や経済政策、社会情勢等による影響を短期的にはほとんど受けません。

もちろん、長期サイクルでは、経済動向やエリアの人口動態または賃貸の需給バランスなどによって、家賃下落する場合もありますが、来月から急に家賃が数千円あがったり下がったりするものではありません。

そのため他の投資手法に比べて不動産投資は、比較的安定した投資運用ができ景気の動向に左右されない家賃収入を収入源とできる点がメリットであり、女性にも向いた投資手法と言えます。

4.独身女性でも可能!少額からでも始められる

不動産投資は、数千万円単位の不動産という高額の資産を取得して始めることから「お金がないとできない」というイメージが付きまといますが、実は少額でスタートすることも可能です。

なぜなら不動産には、それそのものに資産価値があるため、収益不動産の購入にあたっては銀行などの金融機関からの融資を受けて、取得することができるからです。

そのため、不動産投資家は例えば購入時にかかる手数料や登記費用などの諸費用のみを拠出するだけで高額の不動産を取得することもできます。

もちろん、これは銀行からの物的評価、人的評価が高くなければできませんが、少額の負担で購入している不動産投資家が多いということは、女性にとっても心強いポイントになります。

5.独身女性だけじゃない!OLでも子育てママでもできる

同じ副収入でも日々の生活を圧迫する労力では、子育てで忙しい女性にとってはかなりの負担となります。一方、不動産オーナーの仕事は物件の管理業務がほとんどで、かつ、この業務は管理会社に委託することが可能です。

そのため不動産投資は仕事や子育てを優先しながらでもできる副業として最適です。日々の生活に追われる女性だからこそ心身に余裕を持てるような副収入を構築することが必要といえます。

6.女性目線での物件選定ができる

不動産投資は、生活の場を提供するビジネスです。働きに出る男性よりも女性の方が普段の生活に密接であり、たとえば入居者が部屋を決める場合でも、特に水回りの機能性など女性主導で決めるケースも多いです。そういう意味では、実際に住んでみてどうなのかを想像しすることが物件選定にも生かされます。

女性ならではの視点として「ゴミ集積場がない」「収納が少ない」「デッドスペースが多く使いづらい」「水回りが使いにくい」「洗濯機が室外で不便」「洗濯物を干すバルコニーが狭すぎる」「駅からの道中に街灯が少なく治安が不安」「スーパーが近所になく生活に不便」など、入居者目線での問題点を可視化することが可能でしょう。

7.独身女性は結婚後も安心。労働収入ではないため家事との両立が可能です。

男女の労働機会の均等化が進んできたとは言え、それでもまだまだ女性が定年まで継続して仕事を勤め上げることは少ないです。やはり結婚・出産・子育てなどのライフイベントにより仕事の戦線から離脱することがどうしても多いためです。

一方、不動産投資で得る収入は労働を対価として得るもの性質のものではないため、入居者がいる限り安定した収入を受け取ることができます。つまり空室率の低い安定した賃貸需要のある物件を選ぶことができれば、独身女性に限らず家事や仕事との両立もできるのです。

女性に優しい日本政策金融公庫の5つの特徴

日本政策金融公庫は原則、投資目的の融資は行いません。しかし、家賃収入を得る不動産投資は「不動産賃貸事業」として、融資対象となります。もちろん企業だけでなく個人でも事業(個人事業主)とみなしてもらえます。

ここからは、女性などに優しい日本政策金融公庫の特徴について説明します。

1.2000万円までの無担保融資枠

日本政策金融公庫は国の金融機関ということもあり、その評価制度は比較的厳しめです。基本的には積算価格(原価法)の5~6割までしか評価自体は伸びません。

しかし評価が足りない部分は、無担保の融資枠で補うことができると特徴があります。その組み合わせにより、物件や条件によってはフルローンでの借入れも可能になります。

2.融資限度額は4800万円

国民生活事業の融資枠としては、ホームページによると上限は7200万円とされていますが、収益不動産への融資は通常4800万円が上限となります。

また4800万円未満であっても、額が大きくなるに従って審査ハードルは高くなりますこで、なるべくなら2000万円台の物件を購入する際に、公庫を利用するのが良いでしょう。もっとも女性の不動産投資では、比較的借入額を抑え目にしたい、という要望が多いため、この国金の融資枠がちょうど良いのかもしれません。

 

3.融資可能エリアが広い

公庫国民生活事業の3つめの特徴は、融資可能エリアが広い、という点です。これについてはやはり政府系金融機関というだけあって、融資可能エリアが全国に及んでおり、主要都市に支店が配置されています。

ただし沖縄県については、日本政策金融公庫の支店は設置されておらず、別組織の沖縄振興開発金融公庫という国の金融機関が設置されています。

それ以外のエリアは、日本公庫が網羅していますが、過疎地域や市街化調整区域などの評価が伸びないエリアももちろんありますので、その点は注意が必要です。

4.有利な条件で借りることができる

属性が低くても、もしくは新設法人でも借りられるのが日本政策金融公庫国民生活事業の特徴ですが、この理由は本来公庫の位置付けが、個人事業主や中小企業などを支援する・・という政策に沿った融資方針を打ち出しているからです。

そのため前述した独身女性や既婚の女性・若者・高齢者などの、いわゆる弱者でも積極的に融資を検討してくれます。この点も独身女性にも嬉しい制度と言えそうです。

金利や期間などで優遇を受けることも可能で、具体的な条件としては、金利も1.5%前後での固定金利、期間も通常10年の設定のところを15~20年の延長が適用されるケースもあります。これにより、不動産投資としてのキャッシュフローは大きく改善することになります。

5.法定耐用年数超過にも寛大

また、公庫融資の最大の特徴とも言えるのが、この法定耐用年数に比較的寛大であるという点でしょう。

それにより、木造築古物件にも融資がおりる可能性があります。私が初心者にオススメしているのが、地方の木造築古高利回り物件です。これは、地方築古というネガティブな点により高利回りを実現するためですが、地方や築古という点は、ほかの条件等によりカバーできる要素だからです。

この投資法にうまくマッチするのが、日本政策金融公庫国民生活事業の融資であり、これを活用することによって、その後の不動産投資を加速させる初動の原動力になり得るでしょう。

まとめ

生命保険の業界でも「長生きのリスク」という言葉があるように、現代では平均寿命が長寿化しています。それに伴い、国の公的な年金制度だけでは安心した老後を迎えられなくなりつつあります。

また既婚の女性の場合は、夫に先立たれたあとの生活費について、今後大きな課題になってくるものと予測されます。そのため、将来の自分を今の自分が守るという意識は必要で、本業や年金に加え、副収入を作っておくことが望ましいです。

とは言え、仕事や家事、育児などに忙しい独身女性や子育てママは、なかなか副業と言っても簡単にはできません。また、投資はリスクも付きまとうことから、性格的に出来ないという女性も多いでしょう。

この記事では、そんな女性にとって比較的取り組みやすい不動産投資という手法を紹介し、独身、既婚の女性に不動産投資が向いている7つの理由を解説しました。

また、独身女性や既婚の女性が不動産投資を始めるにあたって、具体的な融資の調達先として、女性にも優しい日本政策金融公庫での借入条件など5つの特徴を解説しました。結論としては、女性の場合とくに日本政策金融公庫の国民生活事業で資金を借りて、2000万円台の高利回りの木造築古アパートを購入することをオススメしました。

しかしそれ以外にも、よりリスクを回避したい人なら、もっと小さな不動産投資から始めることもおすすめです。具体的には300~500万円程度の安い築古戸建てを購入し、リフォームして貸し出す、という手法です。

規模は小さいものの、より安全にしかし着実に資産を構築して行けるこの手法も、女性には人気のある不動産投資といえます。ただ、一棟アパートや一棟マンション投資に比べて、規模拡大するのに時間は掛かってしまうというデメリットはあります。

どちらの投資手法が良いかは、自身の資金計画やリスクに対する考え方によっても大きく変わってきますので、さらに深く勉強をしてから不動産投資を始められることをお勧めします。

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