あなたは「世界の一流」というとどんな人たちを連想しますか?
マッキンゼーやハーバードビジネススクール出身のビジネスエリートなどがその代表例です。
実は、そんな彼らは共通してある“基本”を身につけています。
「交渉がうまくいかない」「相手が話を聞いてくれない」「商談を成立させたい」「上司に提案を通したい」
しかし、いつも却下されてしまう。
交渉したり、相手を納得させたりすることはビジネスマンにとって欠かせないスキルです。しかし、苦手な人が多いというのが事実です。その原因は「説得力」が足りないからです。
この記事では、
・説得力を高めるためのポイント
・すぐに使える説得テクニック3つ
をご紹介いたします。
世界の一流が身につけている“基本”
論理力を身につける
世界の一流がまず身につけるものとして「論理力」があります。論理力とは、複雑な事柄を整理、分析し、結論までの道筋をわかりやすく説明することです。
論理力を身につけると「自分のコンテンツ」が磨かれていくのです。人が賛同するのは斬新な意見や、奇抜な考えではありません。「説得力のある意見」です。
説得力のある意見とは、「論理展開」がされた意見のことです。このことから論理力を身につけていくと、魅力のある自分の意見(コンテンツ)が提供できるようになります。
5分ルール
仕事ができる人には、仕事がどんどん舞い込んできます。
一流は、次々と舞い込んでくる仕事を「後回し」にしません。引き受けた仕事を「5分間限定」でとりあえずやってみます。
それは5分であれば他の仕事に影響がないからです。
引き受けた仕事もホットなうちにスタートを切ることができます。
そこで見つかった疑問点や課題を、早めに関係者にアプローチできるようになります。
この「ちょっと早めの行動」が仕事効率を高め、結果を出してくれるのです。
同じ仕事でもホットなうちにやるのと後回しでやるのとでは、雲泥の差がついてしまうのです。
手足の届くところを目指す
世界の一流は、目標が高いイメージがあります。しかし、彼らの目標は「小さな目標を達成する」という意外と現実的な目標です。
なぜならあまりに壮大な目標だと達成するのに時間がかかり、モチベーションを維持することが難しくなるからです。
小さな目標であれば、すぐに達成することができるのでモチベーションを維持できます。
この小さな成功体験を繰り返していくことで、大きな目標に近づいていきます。
小さな目標を達成するコツは「ひとつ上を目指す」ことです。
自分の手の届くギリギリのところを目指すことで、成長速度が飛躍的に高まるのです。射程距離を考えた目標と、その成功体験を繰り返していくことがポイントです。
説得力を高めるためのポイント
説得力の4つのポイント
説得力を身につけるには、まず説得力のポイントを押さえておくことから始まります。それが次の4つです。
(1)送り手
送り手とは、自分のことで信頼性のある人物、印象のいい人物、魅力のある人物には説得力があります。
(2)内容
内容とは、説得の仕方のことで印象を操作したり、話す内容をロジカルにしたりすることです。
(3)チャネル
チャネルとは、説得の手段のことでビジネスシーンではパワーポイントなど視聴覚メディアを駆使することで説得力が増します。
(4)受け手
受け手とは、相手のことで同じ説得内容でも男性なら男性の好む内容にしたり、女性なら女性の好む内容にしたりと、相手によって変わるということです。
説得力を身につける上でまずはこの4つのポイントを頭に入れておく必要があるのです。
説得力を高めるには?
ではどうしたら、説得力を高めることができるのでしょうか?それが前項でお伝えした4つのポイントを高めることです。
(1)送り手
印象のいい人物になるには外見や言葉づかいはもちろんのこと、内容の「専門性の高さ」がポイントになります。専門性が高いと信頼性が増すので相手を説得できるのです。
(2)内容
ほとんどの交渉は「心理的要因」が大きく影響しています。心理テクニックなどを用いることで優位に交渉が進みます。
(3)チャネル
パワーポイントなどで図解にしたり、チャートで説明したりすることで言葉だけでは足りない情報を相手に伝えることができます。映像は感情にダイレクトに作用できるので説得を受け入れやすい状態にします。
(4)受け手
相手の性別、性格、趣味嗜好によって「対応を変える」ことです。また知的水準によっても対応を変えることでより効果的に説得ができます。
これら4つのポイントを高めることで説得効果を各段にアップすることができるのです。
説得を妨げる要因
説得力を高める上で、もうひとつ知るべきことがあります。それが「心理的要因」です。
ビジネスシーンでは、利害の一致が優先するので慎重になり、心理的抵抗が働きます。この心理的抵抗のことを「心理的リアクタンス」といいます。
心理的リアクタンスとは、他人から行動や態度に対する自由が制限された時、「自由になりたい」と思う気持ちのことです。
もし相手を説得するのであれば、押しつける言い方はご法度です。無理なお願いをするのではなく、選択肢を与えて「やってもいいかな」と思わせるくらいで丁度いいのです。
すぐに使える説得テクニック3つ
説得テクその1
相手を説得するには、「効き目のある理論」が必要です。
効き目のある理論とは「権威効果」のことで、社会的地位や権力、肩書きなどによって平凡な物がとても良く見えてしまう心理をいいます。
健康食品の宣伝で、医者が推奨するものであれば信用して買ってしまいます。説得の際もこれと同じ方法を使うのです。
資格や肩書きを持つことで、相手に権威効果を与えることができます。
特に受け手にとって重要な場合、より専門的な相手の方が信頼しやすくなり、説得効果が増すのです。
説得テクその2
説得効果を高めるテクニックとして「対比効果」というものがあります。
対比効果とは「2つ以上の物事を比べた時に差があると、実際の差より大きく感じてしまう心理」のことです。
8000円のワインと1万円のワインがあったとします。最初に8000円のワインを飲んで、次に1万円のワインを飲むと、1万円のワインの方が美味しく感じられます。
味に大差はないとしても、対比効果によって美味しく感じてしまうのです。
これを説得テクニックに応用すると、企画提案の際、最初にハードルの高い提案をします。
相手が迷っている時に、最初の提案よりハードルを低くすることで、対比効果によりその提案が通る可能性が高くなるのです。
説得テクその3
説得方法は、相手がどんな人かによって変える必要があります。
説得するには「相手の知的水準」を見極めてから、説得方法を決めるのです。
一面提示
一般的に知的水準の低い相手に対しては、「一面提示」が有効です。一面提示とは、単純明快で相手が理解しやすい提示をすることです。
知的水準の低い相手は、メリットとデメリットの両方を説明されても、理解に苦しみます。
商品のメリットだけを相手に伝える、この商品がどれだけいいものかだけを伝えるだけで、説得効果が上がるのです。
両面提示
知的水準の高い相手に対しては、「両面提示」が有効です。両面提示とは、メリットとデメリットの両方を提示することです。
知的水準が高く知識の豊富な相手は、メリットばかり説明されても信用しません。
商品のメリットとデメリットを伝えることで信憑性が増し、説得効果を上げるのです。
まとめ
世界の一流が大切にしているのは、いたってシンプルな「基本」でした。
しかし、基本がなければ応用もできず、応用ができなければ、他との差別化ができません。
他との差別化ができないということはピラミッドでいえば底辺に属します。ピラミッドの頂点、つまり一流を目指すには、基本を追い求める姿勢が必要なのです。
説得とは、相手を力で説き伏せることではありません。説得とは、相手が納得することです。
相手がどんな人物か、何に対して興味があるか、相手がどう感じているかを見極め、最終的に納得してくれれば成功なのです。
説得力を身につけるには、まずは信頼されることから始まります。信頼されるにはどうしたらいいか。
それは「実力磨き」と「実績づくり」です。自分の専門性を高め、絶えず実力磨きをし、実績をつくることで説得効果が上がるのです。
例えば、不動産投資のノウハウを得ようとした時、知識もなく、実績のない人から教わるより、知識もあり、実績のある人から教わりたくなるのが普通です。
まずは実力を磨いて、実績をつくることで相手を説得できるようになるのです。