
繰上返済とは、毎月の返済とは別に、まとまった資金をローンの元本に充てて、返済を前倒しする方法です。利息の負担を減らし、返済を早く終えられる一方で、手元資金が減るという面もあります。繰上返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」があり、効果が大きく異なります。この記事では、2つの違いと、試算例、判断のポイントを解説します。

繰上返済の2つのタイプ
| タイプ | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 期間短縮型 | 毎月の返済額は変えず、返済期間を短くする | 利息の軽減効果が大きい。返済の終わりが早まる |
| 返済額軽減型 | 返済期間は変えず、毎月の返済額を減らす | 毎月のキャッシュフローが改善する。利息の軽減効果は小さい |
どちらを選ぶかで、得られる効果が違います。目的に合わせて選ぶことが大切です。
試算で見る効果の違い
次は、残債4,000万円・金利2%・残り25年のローンに、500万円を繰上返済した場合の試算例です(元利均等返済、数値は目安)。
| 繰上返済前 | 期間短縮型 | 返済額軽減型 | |
|---|---|---|---|
| 毎月の返済額 | 約17.0万円 | 約17.0万円(変わらず) | 約14.8万円 |
| 残りの返済期間 | 25年 | 約21年1か月 | 25年 |
| 利息の総額(目安) | 約1,087万円 | 約794万円 | 約951万円 |
| 利息の軽減額(目安) | — | 約293万円 | 約136万円 |
利息を減らす効果が大きいのは期間短縮型、毎月の手残りを増やせるのは返済額軽減型です。

繰上返済のメリットとデメリット
| 内容 | |
|---|---|
| メリット | 利息の負担が減る。返済の見通しが立ち、リスクが下がる。残債が減り、売却や借り換えの選択肢が広がる |
| デメリット | 手元の現金が減り、修繕や空室に備える資金が不足するおそれがある。手数料がかかる場合がある。他の投資に回せる資金が減る |
繰上返済で手元資金を使い切ると、修繕や空室の時期に、資金が不足するおそれがあります。予備資金は必ず残してから、繰上返済に回してください。
繰上返済を検討するときの手順
1
繰上返済の条件を確認する
最低金額・手数料・受付の方法を、金融機関に確認します
▼
2
手元資金と予備資金を確認する
予備資金を残した上で、充てられる金額を決めます
▼
3
効果を試算する
期間短縮型と返済額軽減型の効果を比較します
▼
4
金利や他の運用と比べて判断する
ローン金利と、他の運用で得られる利回りを比較します
金利が高い時期ほど、繰上返済の効果は大きくなります。金利の違いは金利タイプ比較、金利の低いローンへの切り替えは借り換えの記事で解説しています。
繰上返済に関するよくある質問
Q. 繰上返済は、できるだけ早く、多くしたほうがよいですか?
A. 一概にはいえません。手元資金が減ると、修繕や空室への対応が難しくなります。予備資金を残した上で、無理のない範囲で行いましょう。
Q. 繰上返済に手数料はかかりますか?
A. 金融機関や商品によって、手数料がかかる場合があります。事前に、条件を確認してください。
まとめ
繰上返済には、返済期間を短くする期間短縮型と、毎月の返済額を減らす返済額軽減型があります。利息の軽減効果は期間短縮型が大きく、キャッシュフローの改善には返済額軽減型が向いています。予備資金を残したうえで、目的に合わせて選びましょう。
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※本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、特定の投資・融資・税務上の判断を勧めるものではありません。制度や数値は記事作成時点の一般的な内容です。個別の判断は、金融機関・税理士などの専門家にご確認ください。
最終更新:2026年10月
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