投資の格言の中には、投資の本質を表しているものがたくさんあります。
単なる格言に過ぎないと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、投資家の中には格言を信じて取引している方もいるのです。
では、実際にどのような格言があるのか、数ある格言の中から15個をピックアップしてご紹介しましょう。
投資の格言は意外と的を射ている?
相場が荒れやすいと言われる申年は実際に相場が荒れた
投資をしている方の中には、「申酉騒ぐ」という言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?
「申酉騒ぐ」は、干支にちなんだ株式投資の格言の1つで、申年と酉年は株価の動きが激しくなり、相場があれることを意味しています。
「申酉騒ぐ」という格言が的を射ていると多くの方が感じたのは、近年で言うと2016年が挙げられます。
申年であった2016年は、中国の経済不安や中東問題による原油価格の高騰、イギリスのEU離脱、トランプ大統領の就任など、様々な出来事が起こりました。
世界情勢は株価にも大きな影響を与えるため、2016年前半は日経平均株価や為替が下落してしまったのです。
下落してから少しずつ持ち直してきたように思えましたが、EU離脱をきっかけに再度大きな下落をしてしまいました。
しかし、トランプ大統領が就任してからは、反発するように上昇しています。
申年である2016年の相場が大荒れだったことから、申酉騒ぐはあながち間違っていないと言えるでしょう。
覚えておきたい投資の格言15選
人の行く裏に道あり花の山
「人の行く裏に道あり花の山」は、株式投資の格言の中でも有名な格言です。
投資家の多くは、群衆の心理に左右されがちです。
皆について行けば無難な行動を取れるかもしれませんが、大きな利益を得られるものではありません。
株式の相場は上がり続けることもなければ、下がり続けることもなく、転機を迎えるタイミングがあります。
転機を掴むためには周りの環境を見つめることも重要ですが、どちらかに偏っている場合は「人の行く裏に道あり花の山」の格言を思い出してみてください。
買いたい弱気、売りたい強気
株式投資は、自分自身の判断が結果を大きく左右します。
自分だけの判断ではどうしても迷ってしまうこともあり、何かに縋りたいと思ってしまうこともあるでしょう。
買いたい弱気とは、本当は買いたいと思っているのに、もう少し安いところで買える可能性もあるという望みを持つことで表れる弱さを意味しています。
売りたい強気は、自分自身で作った仮説に縛られて、自由に投資ができなくなることを意味しています。
売り買いは腹八分
「売り買いは腹八分」は、2つの意味を持っています。
1つは腹八分で我慢するのが理想的だという意味、もう1つは全財産を投入してはいけないという意味です。
1つ目の意味からは、天井や底値が見えてきたタイミングで売買するのが最も上手な投資方法だということが分かります。
2つ目の意味からは、株式投資は余裕資金で行うことが最も大きな条件だと伝えようとしているのです。
もうはまだなり、まだはもうなり
最初に紹介した「人の行く裏に道あり花の山」と同じくらい投資家の間ではよく知られている格言です。
この格言は、もう底値だと思う時にはもっと下があるのではないかと考え、まだまだ下がると思う時にはそろそろ底値かもしれないと考えてみることを勧めています。
相場が微妙になることもありますが、その変化に独善的な判断をすることによって、リスクが高まる可能性を示唆しているのです。
人の商い、うらやむべからず
「人の商い、うらやむべからず」は、周りの投資家がどれほど利益を得ていても、羨むことで冷静さを失ってはいけないことを意味しています。
多くの投資家がいる中で、大きな利益を得ている投資家に対する羨望の眼差しももちろんあるでしょう。
しかし、大きな利益を得られる可能性は投資家であれば誰にでもあります。
周りの利益を羨むのではなく、自分も同じ場所に建てるように努力をすることが重要なのです。
噂で買って事実で売る
「噂で買って事実で売る」は、買うべき噂が流れたタイミングで株を購入し、事実として発表された時に売った方が良いという意味の格言です。
株式の相場は、噂によって先に動き出します。
つまり、事実がはっきりした段階では織り込み済みになっている可能性も高いのです。
そのため、「噂で買って事実で売る」という格言が生まれたのでしょう。
天井三日、底百日
目先の利益を得るために、小さな変化を狙っている投資家もいます。
「天井三日、底百日」は、目先の利益を得ようとしているとうまくいかない可能性が高いことを意味しています。
株式相場のサイクルがどうなっているのかを知ることができる格言です。
長期の投資をするのか、短期の投資をするのかによっても変わってきますが、この格言を覚えておけば手遅れになってしまう前に対処ができるでしょう。
売るべし、買うべし、休むべし
投資家の中には、1年を通して売買をしていないと気が済まないという方もいます。
しかし、ひたすら売買を続けているだけでは、大きな利益は得られません。
利益を得るためには「売るべし、買うべし、休むべし」という格言の通り、休むタイミングも必要になるのです。
1つの取引が終了したら、市場や相場を観察する時間を設けると良いでしょう。
押し目待ちの押し目なし
株価が下がったタイミングで株を購入しようと考える投資家はたくさんいます。
しかし、株式相場の勢いがある時はなかなか思った株価まで下がってくれません。
「押し目待ちの押し目なし」は思う通りになかなか動いてくれない相場の状態を表しているのです。
遠くのものは避けよ
株式市場には様々な企業の株がありますが、日常生活の中で利用していない企業よりも、身近な企業の株を購入した方が成功する可能性が高くなります。
「遠くのものは避けよ」は、
普段利用していなくて事業は何をやっているのか分からないような企業に手は出さない方が良いという格言です。
三割高下に向かえ
株式投資では、上がり切ったところで株を売りたいという考えを持っている人は多く、決して間違った考えではありません。
しかし上がり切ったところで売るような投資方法では、損失が大きくなる可能性があります。
損失をできるだけ小さくするために生まれた「三割高下に向かえ」という格言は、
利益を得るためには3割上がったら売り、3割下がったら買うことを勧めているのです。
高値覚え、安値覚え
「高値覚え、安値覚え」は、これまでの経験を意識して銘柄を決めるリスクが大きいことを意味しています。
かつての高値や安値を覚えていると、その株価に戻る可能性が期待できます。
様々な条件で変化する株価に、かつてと同じ利益は過信しない方が良いのです。
麦わら帽子は冬に買え
「麦わら帽子は冬に買え」という格言は、季節ごとで売上が大きく変わる企業の株は、オフシーズンに買っておいた方が良いことを意味しています。
冬に麦わら帽子を買う人はほとんどいないため、麦わら帽子を製造する企業の株は下がり、
夏になると株価が上がっていくので、先回り購入が重要なことを投資家に伝えようしている格言です。
傍目八目
「傍目八目」は、冷静に相手の動きを見据えることの重要性を伝えようとしている格言です。
冷静に株の動きを判断することで、先のことまで見通せるようになります。
見切り千両
保有している株が値下がりしてしまうと落ち込む方も多いでしょう。
また、株価が戻ることを信じて待っていても、下がり続けてしまい結局損切りする結果になってしまった方も多いのではないでしょうか?
「見切り千両」とは、保有する株が値下がりした時に、大きな損をしないために早めに売った方が良いという意味を持っています。
まとめ
今回ご紹介した格言は、投資の種類に関係なく、どれも投資をする際に頭に入れておきたいものばかりです。
現在すでに株式投資をしている方はもちろんですが、これから株式投資を始めようと考えている方も覚えておいて損はないでしょう。
株式投資で成功を収めるためにも、投資家が残してきた格言を活かしてみてください。