ジンクスとは?成功する人はこう思っている!
あなたは信じているジンクスがありますか?日本なら「4」、西洋では「13」など不吉な数字とされるジンクスから、
「朝起きたら、1番目に熱いコーヒーを飲む。2番目に新聞・ニュースに目を通す」とルーティーンを行うと成功につながるというジンクスを決めている人もいるかもしれません。
さて、そもそも「ジンクス」とはなんのことなのでしょうか?
職場などでのちょっとした会話にジンクスという言葉を使うことがあると思いますが、ぜひこの機会にその意味と正しい使い方は覚えてみませんか?
ちょっとした話のタネになるかもしれませんよ。
【勘違い注意?「ジンクス」の正しい使い方】
A:「大好きな鷹が飛び立つ夢を見て目が覚めるという喜ばしいジンクスが起こった」
B:「大嫌いなクモの夢を見て目が覚めるという嫌なジンクスが起こった」
この例文のうちどちらかは正しく、どちらかは間違っています。あなたはいつもどのようにジンクスという言葉を使っているでしょうか?
正しいのは「B」
「ジンクス」とは、そもそも悪い意味で使う言葉です。
日本での「縁起を担ぐ」とニュアンスが似ているように感じられ、混同されて良い意味で使われることもあるようですが、
「奇数日の火曜日だと負けるというジンクスを破り、〇〇投手は見事勝利を収めた」
という方が正しい言葉づかいになります。
もともとジンクスとは古代ギリシアで魔術を行うために使った「jugx」という鳥の名前に由来しています。
その鳥は日本語では「アリスイ」と呼ばれキツツキくらいの大きさをし、その名の通りアリを好んで食べるために長いくちばしをしています。
アリスイは首を360度回転させることができ、どことなく気味が悪い動作をすることから不吉なシンボルの扱いを受けるようになりました。
【英語から見るジンクスの使用例】
英語ではジンクス(jinx)は下記のように使われます。
・put a jinx on~
(~に不幸をもたらす)
・break(smash) a jinx~
(ジンクスを破る)
名詞でも、「不運」「縁起の悪いもの」「不吉」などとはっきりと良くない意味のものであるとされています。
次に、よく使われるジンクスを挙げてみましょう。
・13日の金曜日は不吉な日である(不吉なことが起きる)
・黒猫が目の前を横切ると災難がある
・はしご(又は脚立)の下を通る
・鏡が割れる(鏡を割る)
ここまでは日本でもよく聞くジンクスだと思います。西洋ではほかにも様々なジンクスが存在します。
・13人で食卓につく…もう13人、というだけで縁起が悪いようです。
・ナイフとナイフを交差させて置く…確かにあまりいい気分はしませんね。
・ナイフを送る…だれかにナイフを送ることは絶縁を意味しています。
・塩入れを倒してこぼす…もし塩をこぼしてしまったら、すぐ肩越しに塩を投げると魔除けになるようです。
・室内でカサを開く…室内でカサを広げるのは好ましくないとされています。
・式場(教会)につく前に花嫁衣裳を見る…これは古いジンクスで、最近ではあまり気にしない人も多いようです。
【ジンクスが作られた理由】
なぜジンクスが作られたのでしょうか。完全に同じ意味合いではありませんが、「迷信」などの古くからいわれてきたことには理由があります。
例を挙げますと「鏡が割れる・鏡を割る・鏡が割れると7年間悪いことが続いて起こる」というものがあります。
この言葉が生まれたのは紀元前1世紀ごろ、古代ローマ人の考え方からといわれています。
古代ローマでは、すべての生き物は7年ごとに生命が新しくなると考えられてきました。
そして鏡は人やものがそっくりに映ることから、神秘的なものであり、そこに映る人の健康状態を表すものと考えられていました。ですから、その鏡が割れることは非常に悪いことが起きる前触れである、とされたのです。
そして「はしご(又は脚立)の下を通ると悪いことが起きる」とされたのは、キリスト教の考え方から生まれたといわれています。
はしごをどこかに立てかけると、「壁・はしご・地面」に三角のスペースが生まれます。
その場所を通ることはキリスト教の「三位一体」という神聖な場所を汚すものと考えられてこのジンクスは生まれました。
このように、ヨーロッパなどの西洋で生まれたジンクスには古代人やキリスト教などからの考え、また人々の生活の中からできたものが数多くあります。
日本や世界でも、
「食器が割れる」「夜の口笛、クモ、爪切り」
などが不吉な予兆として挙げられています。
衣食住や医療が未発達な古代では人の寿命は短いものでした。
現代ならすぐ治るような病気でも命を落とすことも多くありました。
そのため、人々は目に見えないものを信じそれを神として崇めたり、逆に悪い迷信を作ってそれを避けることで心を穏やかにしたり、自分たちの家族の健康を祈ってきたのです。
そのため世界では180度意味の違う迷信も生まれました。
たとえばフクロウは夜行性であることからヨーロッパでは不吉であるとされていますが、日本では「福」を呼ぶとしフクロウは縁起のいい鳥とされています。
【成功する人はジンクスを信じる?信じない?】
古来からいわれているもの、また自分個人で信じているジンクス。ジンクスは不確定な未来を予測するための心のよりどころとして多く使われています。
ずばりジンクスは信じた方がいいのでしょうか?それについては賛否両論があります。
まず、ジンクスを信じた方がいいという主張。
「プラシーボ効果」という現象があります。
これは、実際には効果がないことでも効果があると「思い込む」ことで効果が表れる現象のことをいいます。
たとえば、「〇〇病院の〇〇医者が開発した薬」といわれたグループと、「ただのカプセルで効果はない」といわれたグループが、同じカプセルを飲みます。
その後で効果があったかを聞くと、病院の医者からの薬といわれて飲んだグループの方が何かしらの効果があったと回答するようなことです。
これをうまく使えば成功しやすくなる、という考え方です。
ビジネスなどで成功している人は案外、「運だのみ」「ゲン担ぎ」「ジンクス」を最後の決断をするひと押しとして信じる人も多いといわれています。
ジンクスを頼り、ほかの余計なことを考えない行為が他人とは違う「強み」となっているのではないか、という考えです。
では次に、ジンクスを信じない方がいいという主張。
「ジンクスにとらわれる」という言葉があります。
あまりにもジンクスやゲン担ぎを信じすぎていると、かえってそれと違ったことが起こった場合パニックになってしまったり、日ごろから信じなくてはいけないと無意識のうちに強迫観念になることがあります。
そして起こってもいないことをジンクスによって起こると思い、しなくてもいい心配をしたり、落ち込んだりして精神的に不安定になる、という考え方です。
そしてジンクスは今までの歴史の積み重ねを例にしたことが経済や政治、スポーツなどの世界で多くあります。
それにとらわれずに「ジンクスを打ち破る」というような人こそが成功者に近い、と主張する人もいます。
では、結局どちらが正しいのでしょうか。ジンクスに関していえば
「全く信じないのはおもしろみに欠ける人間であるが、信じすぎると毒になる」
と考えた方がよいでしょう。
成功者は皆、例にもれずユニークな人間性(中には困った性格もありますが)を持っています。
変わったジンクスを持っていたり信じたりすることがその人の個性になることがあります。
ユニークであり、おもしろみのある人間は多くの人を惹きつけていきます。そうすると成功への近道にもなるのです。
しかしかたくなにジンクスを守り、ほかの人間にも強制すれば嫌われていきます。本人自身も余裕を失い、人間的な魅力が薄れていきます。
つまり、基本的にはその人オリジナルのぶれない信念があることが大切です。
それがあればジンクスはちょっとしたお気に入りの時計や車と同じようなアクセサリーとなり、あなたの魅力を高め人生を豊かにしてくれるものです。
【まとめ】
ジンクスは二面性を持ち合わせたものです。たとえばお酒のように。「酒は飲んでも飲まれるな」というわけです。
効果的に使えばその人の魅力を倍増させますが、とらわれすぎるとダメになってしまいます。
ですから、生活が豊かになりIT時代となった今でもジンクスは生き残ったのではないでしょうか?
あなたにとって「ジンクス」とはなんでしょうか。
持っていると安心な幸運なお守りでしょうか。あるいはちょっとした刺激となるスパイスでしょうか。ジンクスの生まれた由来を紐解きながらそれをときどき考えてみることも楽しそうですね。